出版社内容情報
聖地をめぐってキリスト教とイスラム教がしのぎをけずるという構図に欠けていたもの。それは古くから中東にあるバール神、女神アタルガティス信仰の根の深さではないのか。これまでにない視点で十字軍と人々の姿を俯瞰した意欲作。
内容説明
聖地はなぜ共栄を捨て、堕落と退廃に塗れたのか―旧約聖書より続く神の業、なのか。残された原典史料を徹底検証して見えてくる「歴史」から消された聖戦の実相を活写する。
目次
第1部 パレスティナ、シリアにて(近東に根をおろす西欧キリスト教徒;キリスト常駐軍のありかたを定める三つの規約;失ったものの奪回;スンニ派の覇権確立に向けて、エルサレム王国では;キリスト教徒敗北;聖都喪失の背景に;聖地奪回に総力を傾ける西欧勢)
第2部 ビザンツ、エジプト、チュニジアに矛先を向ける西欧十字軍(ビザンツ攻略、ラテン帝国成立;エジプト奪取の大野望;新遠征にむけて;モンゴル帝国、版図拡大;ルイ九世のエジプト・パレスティナ遠征、迎え撃つバイバルス;モンゴル勢の西方大遠征、パレスティナのキリスト教徒;フランス王ルイ末弟シャルルの動き;モンゴル、マムルーク、西欧それぞれの覇権構想の行方;近東総撤退まぢかの現地西欧キリスト教徒)
著者等紹介
伊藤敏樹[イトウトシキ]
1941年生まれ。東京外国語大学フランス語科卒。名古屋大学大学院修士課程修了。ソルボンヌ大学大学院で第三期博士号取得。パリ大学講師、日本大学教授等を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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