出版社内容情報
平和だけど退屈な島国で起こった「衣装戸棚」の密室殺人事件。警察に解けない謎を、プライドの高さはNo.1の王女が首を突っ込み…
争いもなく平和。だけど退屈なこの島国で起こった「衣装戸棚」の密室殺人事件。
平和すぎるこの国の警察では解けない謎に、プライドの高さではナンバーワンの王女が首を突っ込むのだが……。
ファンタジックで掛け合いも踊る長編ミステリ。
内容説明
潤沢な資源のおかげで平和で穏やかな毎日の「退屈王国」。そんな国の未来を脅かす新エネルギー政策の発表とともに起こった「衣装戸棚の女」密室殺人事件。王女プランタンは野次馬根性―もとい、持ち前の好奇心から事件に顔をつっこむが、推理は堂々巡り。「空間と空間のあいだ、ってなに?」新鋭によるファンタジックでユーモラスなミステリ空間。
著者等紹介
大森葉音[オオモリハノン]
1965年、北海道岩内町生まれ。北海道大学文学部卒業。会社員や予備校講師を経て、2000年に「大森滋樹」名義の「物語のジェットマシーン―探偵小説における速度と遊びの研究」で第7回創元推理評論賞佳作入選。以後、ミステリ評論家として活躍。2013年に「大森葉音」名義の『果てしなく流れる砂の歌』で小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Majnun
7
非常に読みやすい言葉遣いで若い読者にもファンタジックなミステリの愉しみを提供するが、ベテラン読者にはミステリ評論を手がける筆者のテクニカルな構成力と筆致を読み解いていく愉しみが用意されている。謎解きの類型をあからさまに冒頭に置くこの技法はさながら新時代の「読者への挑戦状」だ。複雑に絡まるエピソードの糸に阻まれて容易に全貌を見渡すことができない。筆者が本名名義で書いた評論で分析してみせた物語を「加速する」方法論を実作で展開したクライマックスはまさに圧巻だ。2015/04/01
外道皇帝
6
退屈王国という架空の国での殺人事件。インターネットが発達してるのになぜか4頭立て馬車に乗ってるとかアンバランスはあるものの、ストーリーとしてはなかなか面白い。プランタンが間抜けなワトソンで、お付きのオールシーがホームズかと思ってたがなかなか微妙な関係でした。文章がもうちょっと読みやすいといいなあ。2015/06/10
ふじさん
4
別名義で評論を手掛ける著者の二冊目となる小説作品。エネルギー政策に揺れる架空の国家を舞台に、往年の海外作品を思わせる「衣装戸棚の密室殺人」が展開される長篇。ユーモラスな筆致に反して内容は直球のお化け屋敷系。奇想が跋扈する悪夢的な真相は決して嫌いでないが、本作に関しては少し楽しみ切れなかった。中盤以降のサスペンス展開は上滑り気味で、売りとされる掛け合いも軽妙と言うよりは軽薄。滑稽味が勝り過ぎ、この文体は題材と余り調和していないように感じてしまった。時空間を巡る問答にも更に踏み込みが欲しい所で、色々と惜しい。2015/07/12
mame_maki
4
★★・・・表紙に釣られて手に取る。サラサラァ~って読めるのだが、テンポが苦手。私向きの国なんだけどなぁ~。2015/05/09
ちょく
3
なんとなくで読んでいたのが悪いのか、そもそも頭が悪いのか、書き方が下手なのか、正直に言って何を言っているのかよく分からなかった。おそらく頭が悪いのだとは思うが、最後に笑われていたユアハイネスと同じ気持ちになった。2017/03/29