出版社内容情報
ネット上のちょっとした悪意を集めて凝縮させる「殺人販売サイト」ギデス。ふ
としたはずみで調査することになった君島は、その背後に巨大な「悪意 のファ
ネル」の存在を知るが……。どんなネットセキュリティのガイドよりも役に立つ、「リアルしばり」の本格サイバーセキュリティ小説。
すべてが明日、あなたの身に降りかかるかもしれない!
内容説明
明日、あなたの身に降りかかるかもしれない“リアルしばり”の本格サイバーセキュリティ小説!ネット上のささいな悪意を集約させるという「殺人販売サイト」ギデス。いったい誰が作り、広めているのか。君島がたどり着いた先は―。
著者等紹介
一田和樹[イチダカズキ]
東京生まれ。コンサルタント会社社長、プロバイダ常務取締役などを歴任後、日本初のサイバーセキュリティ情報サービスを開始。2006年退任。2010年に『檻の中の少女』で島田荘司選第3回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞受賞、2011年4月、同作にて原書房よりデビュー。カナダ、バンクーバー在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マサキ@灯れ松明の火
9
君島悟シリーズ第3弾です♪前2作品から遡ること、?年の君島さんが会社勤めをしていた時の事件です。和田女史との出合いも描かれてますね(笑)それにしても…君島さん…グレーのスーツ…似合わないですね…(苦笑)ネット上の殺人集団「ギデス」…怖いですね…人々の小さな悪意が纏まると…完全犯罪が可能となる。「悪意のファネル」の言葉どおり。‥ところで、君島さんと薫さんのその後はどうなったのでしょう??デートもしていたようですし…うーん(¨;)和田女史もいるし…不思議な三角関係?あと2作品、その後が知りたいなぁ。2013/06/14
ice_age
4
ファネルとは漏斗の事で、バラバラになったものを集める効果の事をファネル効果というらしい。そしてこの本はインターネット自体が、悪意を集めるファネルである、という説を唱えていて、なるほどと頷かされた。ギデスというシステムも、現実にできてしまいそうで、恐ろしいアイディアだ・・・。2016/09/23
はる
3
サイバーセキュリティコンサルタント君島シリーズ第3弾。独立前の会社勤めだった頃の君島と、和田との出会いが含まれたストーリー。君島さんの「下品だけど愛嬌のある顔」というのが、安田顕を想像してしまう。…好きなタイプかも。このシリーズ、後2作で完結ということらしいが、終わってほしくない。 それにしても、一田さんの著書をよんでいると、インターネットの怖さを思い知らされる。それでも、特に何かをしようとしない私は、モロにサイバー犯罪の鴨になりやすい人種なんだよなぁ。2014/02/20
onaka
3
殺人行為を大勢でシェアするシステムによって一人当たりの罪は薄められゲームとなる。そんなシステムが裏サイト的に実際に存在しているという設定。つまり小さな悪意を集約するファネル(漏斗)の具現化。となると、犯人を捕まえて罪を償わせる従来の警察•司法システムは無効化する。が、その代わり、監視技術の高度化により悪は制御可能となる。サイバー空間の中で密かに進行する技術の進展によって可能になる犯罪と社会の新しい姿を描く。横領事件と絡めたプロットもキャラ設定も文句なし。シリーズ他作品も気になる。あっぱれ!2013/04/15
yraurb
2
シリーズ主人公、君島の昔話。インターネットは悪意を集める漏斗のようなもの、という意味を込められた表題の通り、集められた悪意を被せられた登場人物がいて、他方、まだ会社にいた君島が社内の横領について調査して、という話。相変わらず夢中にさせる展開なのだが、今回はどうも「解決した」という手応えを感じなかった。事件になる仕掛けを作った人物はわかったけど、その人物がいなくなった後積極的に動いたのは結局誰だったんだ?2018/04/14