出版社内容情報
世界の発展に大きく貢献し、生活様式に大きな影響をあたえてきた50の鉱物の興味深い物語を、
美しい写真や図版とともに紹介。
経済史、文化史、政治史、産業史をおりまぜながら、人類はどんな足どりで発展したのか、
そして地球の資源を利用することによる危険など、興味深い考え方を提示している。
内容説明
本書は、「鉱物」という言葉を広義にとらえ、人類が文明を築くうえで重要な役割を果たしてきた金属、合金、岩石、有機鉱物、宝石の原石をとりあげている。フリントや黒曜石から青銅や鉄まで、有史時代のごく初期までさかのぼって産業と交易の起源をさぐり、旧世界と新世界の偉大な古典文明の金、銀、象牙、翡翠で作られた驚嘆すべき芸術作品を紹介する。また現代社会の化石燃料の使用、鋼やアルミニウムの生産、ウランやプルトニウムから取り出した核エネルギーの利用などから、工業化の流れを示している。
目次
ダイヤモンド
銅
青銅
アラバスター
明礬
アルミニウム
アスベスト
琥珀
銀
粘土〔ほか〕
著者等紹介
シャリーン,エリック[シャリーン,エリック][Chaline,Eric]
歴史および哲学のジャーナリスト、ライター。現在、イギリスのロンドンに在住、ロンドン・サウスバンク大学で社会学の大学院研究指導にあたっている
上原ゆうこ[ウエハラユウコ]
神戸大学農学部卒業。農業関係の研究員をへて翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koning
24
鉱物と人間の関わりについて50の鉱物を選んで書いているどちらかというと社会史的な感じの本かな?純粋な鉱物だけでなく、青銅のような合金やプルトニウムのような超ウラン元素からカオリナイトのようなものまで。ざっと眺めているだけでも確かに人類の歴史を変えた何かの原料だったりするよなーというのが並んでいて、それぞれのエピソードも楽しい。フリントの火口箱欲しいなぁ。19世紀位のやつ探すかなぁ。換えフリントはあるし(何。ということで、明日から池袋ミネラルというタイミングで登録してみる。2013/12/05
鯖
23
ガラスと火薬の項目がかなり辛辣。何かから金を生み出そうとした西欧の錬金術と、不老不死を追い求めた中国の錬金術。前者からはガラスが生まれ、メガネのレンズとなって科学者の寿命を飛躍的に延ばし、顕微鏡望遠鏡となって世界を広げた。後者はその過程で火薬を生み出し、結果として人の寿命を延ばすのではなく、武器として人の命を縮め、奪うようになったとのこと。まあ、このシリーズの著者、全部西欧の人だからなあ。物事にはなんでも両面がある。2016/02/03
こぽぞう☆
22
このシリーズ、動物と植物も読んだけど、鉱物は今ひとつだった。歴史認識に偏りがあるし、象牙や珊瑚を鉱物とするのもどうかな?2016/06/05
梟をめぐる読書
13
ジャレド・ダイアモンドの『銃・病原菌・鉄』でも触れられていたように、動物や植物、それに鉱物などの環境相は人類史の結果に必然的な影響を与え続けてきた。本図説シリーズもまた、その主張を上書きするように「動物」「植物」とそれぞれ見てきたわけだが、しかし「鉱物」ほど劇的に世界史の変化を促してきたような例は、恐らく生物界には見当たらないだろう。古代~中世における青銅や鉄、産業革命期における石炭、20世紀における石油やアスファルト。21世紀ではウランやプルトニウムの存在が、環境にとって未だ大きな脅威であり続けている。2013/01/27
けいこん
11
読み物としてかなり面白かった。こういう本ならば、物理化学は好きだけど社会系が全滅の私にも楽しく読めるね。高校生の頃にこの本を読んでいたら、世界史で追試を受ける事もなかったかもしれない。笑。シリーズいろいろあるようなので、他も見てみようと思う。2017/06/03