冬将軍が来た夏

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冬将軍が来た夏

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  • サイズ B6判/ページ数 407p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784560096352
  • NDC分類 923.7
  • Cコード C0097

出版社内容情報

レイプ事件で深く傷ついた私のもとに、突然現れた終活中の祖母と5人の老女。台中を舞台に繰り広げられる、ひと夏の愛と再生の物語。台湾の鬼才が紡ぐ、人生を癒す終活小説

 大河巨篇『鬼殺し』で好評を博した、台湾の若手実力派作家、甘耀明の最新作。台中を舞台に、身寄りのない老人など社会的弱者に着目し、主な登場人物は全員女性という新境地となる長篇小説である。
 主人公の「私」は、大規模な幼稚園に勤める二十代の女性保育士。ある年の夏、十数年音信不通だった祖母が、私に会いにやってきた。末期の肺がんに冒された祖母は、気がかりだった孫娘に、死ぬ前に会う責任があると思い、自らが営む小型の共同ホームの老女たち五名と老犬一匹と共に私の家に姿を現した。ちょうどその時、私は自宅で幼稚園の園長の息子にレイプされ、祖母は唯一の目撃者となる。私の心は傷つき、園長の息子を告訴し、幼稚園を退職、祖母を含めた共同ホームの老女たちと行動を共にするようになる。祖母の終活に寄り添いながらひと夏を過ごした私は自己回復していく……。
 女性問題、独居老人、同性愛など、現代の台湾社会が抱える問題を捉えつつ、著者のまなざしは、社会的弱者の心を温めて?生?をいろどる?記憶?に注がれる。それが厳しい現実を生き抜く支えになるというメッセージをユーモア溢れるタッチで描いた傑作。解説・?樹のぶ子

甘耀明[カンヨウメイ]
著・文・その他

白水 紀子[シロウズ ノリコ]
翻訳

内容説明

レイプ事件で深く傷ついた私のもとに、突然あらわれた終活中の祖母と5人の老女と一匹の老犬―。台中を舞台に繰り広げられる、ひと夏の愛と再生の物語。

著者等紹介

甘耀明[カンヤオミン]
1972年、台湾・苗栗県生まれ、客家出身。台中の東海大学中文系在学中に小説を書き始め、卒業後は苗栗の地方新聞の記者などをしながら小説を書きためていた。2002年「神秘列車」で寶島文学賞審査員賞、「伯公討妾」で聯合報短篇小説審査員賞を受賞するなど、6篇が文学賞を続けて受賞し、03年に短篇小説集『神秘列車』を刊行。02年、東華大学大学院に進学し修士号を取得。05年、中短篇小説集『水鬼學校和失去媽媽的水獺』で「中国時報」年間ベストテン賞、中篇小説「匪神」で呉濁流文学賞、06年「香豬」で林栄三文学賞受賞。09年、『殺鬼』で「中国時報」年間ベストテン賞、台北国際ブックフェア小説部門などを受賞し、“新十年世代第一人”の代表作と高く評価された。15年、『邦査女孩』を刊行、台湾文学賞金典賞などの賞を受賞

白水紀子[シロウズノリコ]
1953年、福岡県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科(中国文学)修了。横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院教授。国立台湾大学客員教授、北京日本学研究センター主任教授を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

榊原 香織

84
台湾若手作家。 アメリカ短編小説みたいだな、と思ったのも束の間、亜熱帯アジア的マジックリアリズム全開。 台中舞台。 傷ついた若い女が魔女のような老婦人たちのコミュニティに迎え入れられる。 傷ついたと言っても、強いです、台湾女性。 Facebook皆使ってるとこも台湾ポイ。 如来神掌とか椿功とか中国拳法の技が普通に出てくるとこも。ハンターハンターのネタは私が知らない2021/07/19

りつこ

41
レイプされた「私」の前に現れたのは死んだと聞かされていた祖母。祖母は「死道友」という七人のおばあさんたちから成る共同体のリーダーで、「私」はこの女たちと強烈なひと夏を過ごす。女たちには壮絶な過去があり個性的(過ぎる!)で攻撃的。魔法さえ使えそうだが決して無敵ではなくむしろ虐待されてきた人たち。そしてその生は確実に死へ向かっている。死ぬ前に愛する人に別れ告げる義務があると語り、全力で孫を救おうとした祖母の愛は「私」に残り、強さを与えてくれるのだろう。これを男性が書いたことに驚く。面白かった。2018/08/15

星落秋風五丈原

29
台湾版マジックリアリズムですね。主人公が悲惨な目にあったというのにカバンに身を潜めていた死んだはずの祖母が現れるって何ですかこれ。甘作品の幽霊はみんな優しいね。2018/07/16

きゅー

12
個性が強すぎる老婆たちの悲喜劇。コメディのようでありながら、同性愛、老老介護、独居老人、自死、親子関係の破綻など社会問題が織り込まれている。むしろコメディのようであるから、こうした問題がいかにもあっけらかんと語られる土台があるのだろう。登場するのは女性ばかりで、男性は脇役に徹している。孫娘のために死をも辞さない祖母の姿はまさに冬将軍であり、彼女と過ごしたひと夏の物語。むごたらしい出来事も起きるが、それを糧にして「私」は勇敢になる。年若い「私」の成長譚でもあり、死を間近に迎えた老女たちの愛の物語でもある。2022/01/07

Mc6ρ助

10
『私の祖母がどうなったのかは訊かないでほしい。私の訴訟がどうなったのかも訊かないでほしい。・・・(p395)』読書子の期待はものの見事に裏切られるが、何はともあれ以下が良い。『「かりにこの世界中のどんな戦争も、路上での殴り合い、強盗殺人、家庭内暴力、それに自殺だ って、もしみんなが立ち止まって、自分に三分間のハーフタイムをあたえ・・、熱湯を注いだカップ麺がゆっくりとふくらんでいくのをながめ、それからどうやって後半を戦うかを決めたら、もしかしたら、物事はがらりと様子が変わるかもしれないし、・・(p062)』2018/10/21

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