エクス・リブリス<br> ぼくの兄の場合

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エクス・リブリス
ぼくの兄の場合

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  • サイズ 46判/ページ数 191p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560090565
  • NDC分類 943
  • Cコード C0097

出版社内容情報

十六歳年下の弟である著者が、戦争で命を落とした兄の残した日記や手紙を通じて、「家族」とは、「戦争」とは何かを自問する意欲作。兄の人生から浮かび上がる戦争と家族の物語

 ナチズムに疑いをもつことなく戦地に赴き、19歳で命を落とした兄。弟である著者が、残された日記や手紙から兄の人生を再構成しながら、「戦争」とは何か、「家族」とは何かを問いかける意欲作。
 16歳年上の兄はヒトラーユーゲントの教育に染まり、武装親衛隊の「髑髏師団」に入隊、ウクライナで戦死した。戦後民主主義の教育を受けて育った第一世代である著者は、兄の遺した日記や手紙を読みながら、戦争の記憶をほとんどもたない自身の半生、両親や姉の人生を振り返る。そしてナチズムと国家による暴力、戦時下の小市民の生活について、短いテクストの集積で語りつつ、読む者に深い問いを投げかける。
 わずかな手がかりをもとに、亡き兄の人生について考察する本書の書きぶりは、小説というよりも自伝、あるいはノンフィクションの手触りに近い。身近でありながらほとんど知ることのなかった肉親への情、戦争に向き合おうとすることの困難、葛藤が随所に表われ、日本の読者にも考えさせられるところが大きい。
 著者は1940年生まれ。2003年に出版した自伝的な本書は、ドイツにおける記憶の文化とナチスについて社会的な議論を巻き起こした。

ウーヴェ・ティム[ティム]
著・文・その他

松永 美穂[マツナガ ミホ]
翻訳

内容説明

16歳年上の兄カール・ハインツは、ヒトラーユーゲントの教育に染まり、武装親衛隊のエリート部隊である「髑髏師団」に入隊する。ハリコフ攻防戦やクルスクの戦いにも参加するが、戦闘中に両足に重傷を負い、切断を余儀なくされ、ウクライナの野戦病院で息を引き取った。第一次世界大戦に自ら志願して従軍し、第二次世界大戦でも戦った父は、兄を誇りに思い、その死を深く悔やむ。いっぽう母は、息子が戦争犯罪に加担しなかったと固く信じながら、戦地から届いた兄の遺品を、半世紀にわたり化粧台に入れて大切に保管していた。兄より年長の姉は、娘である自分が兄ほど父に愛されなかったことを自覚しつつ、それでもやはり自分は父に愛されていたと信じようとする。兄の遺した日記や手紙を読みながら、著者は、戦争の記憶をほとんどもたない自身の半生、さらには両親や姉の人生を振り返る。ナチズムと国家による暴力、戦時下の小市民の生活について、短いテクストの集積で語りつつ、読む者に深い問いを投げかける。

著者等紹介

ティム,ウーヴェ[ティム,ウーヴェ] [Timm,Uwe]
1940年ハンブルク生まれ。家業の毛皮製品店を継ぐべく修行をするが、父の死後、店をたたんで大学入学資格を取得。ミュンヘン大学で哲学とドイツ文学を学び、パリのソルボンヌ大学にも留学。戦後の西ドイツで民主主義教育を受けた第一世代にあたり、パリから戻った1967年以降、学生運動にも参加。1970年代から作家活動を始め、1993年の『カレーソーセージをめぐるレーナの物語』(河出書房新社)、2001年の『赤』などの作品で一躍人気作家に

松永美穂[マツナガミホ]
ドイツ文学者、翻訳家。早稲田大学文学学術院文化構想学部教授。主要訳書にベルンハルト・シュリンク『朗読者』(毎日出版文化賞特別賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケンイチミズバ

100
僕は臆病ではありませんでした。父が喪失に耐えつつ、できれば兄の代わりにどの子を死なせたかったか考えているのがわかった。あまりに痛々しい弟の思い。晩年まで残されたしこり。一番愛され期待された兄、期待されなかった姉、弟。しかし、兄は野戦病院で両足を切断され、人生が永遠に変わってしまったことを知り、もう青春はないと思いながらあっけなく死んだ。19才、出征しわずか数ヶ月。世の中と一体になることを望んだ父親のせいで志願した。母宛の手紙には戦闘について一切書かなかった兄の思いやり、両親が亡くなりようやく書けた真実。2018/08/27

ぐうぐう

31
歴史における戦争は、戦争の記憶によって形成されている。個々の記憶には差異があり、それ以前に記憶は曖昧なものだ。国家によってその曖昧さが利用され、歴史が捏造されることもままある。しかし、書き換えるのは国家に限ったことではない。16歳年上の兄がヒトラーユーゲントから武装親衛隊となり戦場にいたとき、著者であるウーヴェ・ティムはまだ三歳にも満たなかった。戦場で命を落とした兄は、日記を付けていて、家族に何通もの手紙を送っている。(つづく)2018/08/25

ヘラジカ

29
兄を介しての戦争体験や家族との記憶、ホロコーストに対する論考をつらつらと書いた自伝的小説。ノンフィクションかと思いきや、訳者の解説を読むとオートフィクションという半自伝とのこと。事実にしては些か平々凡々とした人生が、ただの記録ではなくフィクションも入り混じっているということに逆に驚いた。エモーショナルで揺り動かされる読書というわけではないので失礼な話少し退屈してしまったが、大切に読まれるべき作品なのはよく分かる。確かに教科書に載っていそうだ。2018/07/21

くさてる

28
第二次世界大戦に武装親衛隊の一員として戦い、負傷して命を落とした兄について、残されたわずかな資料と自分の記憶をもとに綴った内容。派手な内容でないし、お涙頂戴のロマン性もない。むしろ、ここにあるのはただの家族の歴史だ。そしてそこから生まれる、歴史のなかにただ「在る」普通の人々の息遣いのようなもののリアルに圧倒された。静かだけど、強い一冊。2018/08/16

ソングライン

24
第2次世界大戦時のドイツ、武装親衛隊に志願し東部戦線で戦死した兄が残した戦中日記。16歳年下の弟である作者が、父、母、姉が亡くなった戦後復興したドイツで、やっと記すことのできた家族の戦後。長男を亡くし、自分の存在理由を見失っていく父、兄の亡くなった地を死ぬ前に訪ねたかった母、戦後の青春を失った姉の想い、そして兄はあの虐殺に関与していたのか。家族が、自国が築いてきた教養も文化も、あの悪業の前では無力で黙殺せざるを得なかったのか。作者の苦悩にみちた家族の告白が胸に迫ります。2019/04/20

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