エクス・リブリス<br> アルグン川の右岸

個数:

エクス・リブリス
アルグン川の右岸

  • ウェブストアに1冊在庫がございます。(2024年04月20日 09時38分現在)
    通常、ご注文翌日~2日後に出荷されます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆在庫数は刻々と変動しており、ご注文手続き中に減ることもございます。
    ◆在庫数以上の数量をご注文の場合には、超過した分はお取り寄せとなり日数がかかります。入手できないこともございます。
    ◆事情により出荷が遅れる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • ●店舗受取サービス(送料無料)もご利用いただけます。
    ご注文ステップ「お届け先情報設定」にてお受け取り店をご指定ください。尚、受取店舗限定の特典はお付けできません。詳細はこちら
  • サイズ B6判/ページ数 365p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784560090336
  • NDC分類 923.7
  • Cコード C0097

出版社内容情報

トナカイとともに山で生きるエヴェンキ族。民族の灯火が消えようとしている今、最後の酋長の妻が九十年の激動の人生を振り返る。

【著者紹介】
1964年生まれ。中国の作家。「霧の月」(原題「霧月牛欄」)、「年越し風呂」(原題「清水洗塵」)で第一回・第二回の魯迅文学賞短編小説賞を受賞。「世界中のすべての夜」(原題「世界上所有的夜晩」)で三度目の魯迅文学賞の中編小説賞を受け、「アルグン川の右岸」で第七回茅盾〈マオトン〉文学賞を受賞。

内容説明

エヴェンキ族最後の酋長の妻、90歳の「私」は、仲間が定住地に移住していくのを見ながら、森の中で最後までトナカイと一緒に残ることを決意して、これまでの人生を語り始める。もともと民族はバイカル湖周辺に住んでいたが、ロシア軍が侵攻してきたため、アルグン川の右岸に渡る。そこは当時、清国だったが、やがて中華民国となる。そして日本軍の対ソ連前線基地となり、男たちは軍事訓練を受けるが、日本軍は敗退していく。やがて中華人民共和国の内モンゴル自治区に変わり、社会主義体制のもと、政府は医療の改善と教育の充実、また動物保護を名目にして定住生活を推し進める。だが彼らのトナカイとの共存共栄の生活が理解されず、狩猟民としての生活が破壊されていく。都市での定住生活に適合もできず、将来を見出せない狩猟エヴェンキ族。民族は徐々に衰亡し、やがて絶滅してしまうのではないか、と危惧する…。

著者等紹介

遅子建[チーズジェン]
1964年生まれ。大興安嶺師範専科学校中文系に入学し、在学中から作品を書き始め、卒業後、教師となる。その間に「北極対童話」を書き上げ数年後に発表し、実質的なデビュー作となる。87年、教師を辞めて、ハルビンの文芸誌『北方文学』の編集部勤務を経て、やがて専業作家になる。97年、「霧の月」(原題「霧月牛欄」)で第一回魯迅文学賞の短編小説賞を受賞。2001年、「年越し風呂」(原題「清水洗塵」)で第二回魯迅文学賞の短編小説賞を受賞

竹内良雄[タケウチヨシオ]
1945年生まれ。慶應義塾大学名誉教授。中国文学専攻

土屋肇枝[ツチヤトシエ]
1964年生まれ。慶應義塾大学、中央大学ほか講師。中国現代文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

巨峰

71
中露国境地帯アングン川右岸の山林でトナカイの遊牧と狩猟をおこなうエブァンキ族の一氏族の100年にわたるクロニクル。中国政府の定住化政策により今は滅びようとする氏族の盛衰を90歳の女性の語りを通して詩情豊かに描く。彼らの世界にどっぷりとつかって読書してしまった。人間は生まれてくるときは変わらないが、死にざまは人それぞれ。不慮の事故で亡くなる人たちが多くて、時には気が滅入るが、自然と暮らすということはそういうことなのだろう。アチェベ「崩れゆく絆」と比べても勝るとも劣らない。訳文は読みやすく、超お勧め☆2016/09/23

松本直哉

36
木を乱伐してモンゴルを砂漠化した漢族と違って、薪にするのに生きた木は決して伐らず、倒木を拾うことひとつにも、この少数民族の自然への洞察と叡智が窺える。国家も文字ももたず、トナカイとともに森に暮らす彼らの静謐な生活が、満州事変から中華人民共和国建国、文化大革命という隣接する国家の軋轢と干渉のなかで衰亡してゆく過程が、最後の酋長の妻の目から哀惜をこめて語られる。星や山河、森の中での求愛、豪宕な祭儀としての狩りと宴、神秘的な巫女の踊り、いずれの描写も悲しく美しい。それが二度ともどらないだけになおさら。2015/09/21

兎乃

27
“ツンドラ・サバイバル”と併読み。小さな部族の衰退。静謐で重厚な断末魔。無音の慟哭。2015/09/15

かわうそ

27
中国とロシアの国境付近で生きる狩猟民族の最後の酋長の妻が自らの人生を語ることを通じて歴史の流れの中で緩やかに消えていこうとする一族を描き出す。幸せな出来事も過酷な試練もあるがままに受け入れるかのような淡々とした語り口の背景には生と死が隣り合わせの自然の中で生きる厳しさと最後には全てが消えゆくという運命をあらかじめ受け入れているかのような寂寥感が感じられる。重厚感溢れる素晴らしい傑作。2015/08/17

miyu

26
いつの間にか自分自身が物語の中に入り込み語り手の「私」と一体化していた。目の前に広がるのは紛れもなく「私」の呼吸しているあのアルグン川。アマ(父)を始めとするウリレン、そしてヘラジカたち。自然に静かに寄り添い控えめに生きるエヴァンギ族にも、終わりは容赦なく訪れるのだ。歴史は人の儚い営みをこうも冷淡に呑み込んでしまうものなのか。人の醜さと哀れさ、そして逞しさと優しさ。全てを包んで何事もなかったかのように時は流れ去る。「私」の物語が終わっても別の物語は続いてゆく。あまりにも愛おしく、胸が張り裂けそうに切ない。2014/10/19

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/7998319
  • ご注意事項

    ご注意
    リンク先のウェブサイトは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」のページで、紀伊國屋書店のウェブサイトではなく、紀伊國屋書店の管理下にはないものです。
    この告知で掲載しているウェブサイトのアドレスについては、当ページ作成時点のものです。ウェブサイトのアドレスについては廃止や変更されることがあります。
    最新のアドレスについては、お客様ご自身でご確認ください。
    リンク先のウェブサイトについては、「株式会社ブックウォーカー」にご確認ください。