出版社内容情報
モンスター映画が大好きな少年の爆笑の日々を描く「クリーチャー・フィーチャー」など傑作17篇。物語巧者が豪華競演!
【著者紹介】
著書にThirteen Loops: Race, Violence and the Last Lynching in Americaなど。本書を含め、これまで三冊の編者として新しい視点から表現を探っている。
内容説明
フランケンシュタイン映画が大好きな少年の爆笑の日々を描く「クリーチャー・フィーチャー」。几帳面な男の怪我した爪から生まれた無口な働き者「泥人間」。サマーキャンプでいじめられっ子が遭遇したもっとも危険な相手とは…「モンスター」。自分を吸血族と信じて疑わぬ少年の大切な“牙”が一家に招く事態を描く「ダニエル」など粒ぞろいの17篇。ケリー・リンク、エイミー・ベンダー、ベンジャミン・パーシーら気鋭の作家が贈る、恐怖と笑い、遊び心に満ちた、ちょっぴり切ない傑作モンスター・アンソロジー。
著者等紹介
ホラーズ,B.J.[ホラーズ,B.J.] [Hollars,B.J.]
これまで三冊の編者として新しい視点から表現を探っている
古屋美登里[フルヤミドリ]
早稲田大学教育学部卒業。翻訳家、エッセイスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sin
65
勿体ぶった“序文”から胡散臭いと思った通り、この本に登場するモンスター達は何れも比喩的な意味でのそれであって文学にしゃぶりつくされた存在でしかない。作品としての質は悪くないがモンスターに対する愛は感じられない。それは序文で編者がビッグフット愛好家に向ける観察者の眼差しに似て…作者たちが描きたいものは他に在って、そのため描かれたモンスター達は表現のツールとして存在しているに過ぎない((T_T))とはいえ粒ぞろいの作品集であることに間違いはない。2015/04/06
nuit@積読消化中
57
「モンスター」というタイトルとキュートな表紙につられてモンスターもののブラック・コメディだろうと勝手に思って読んでみたところ、あれま、ひとつひとつのお話が読後にじんわり心に訴えかけてくるものばかり。どうりで帯の推薦文が岸本佐知子さんだったわけだということが解せました。個人的には「モスマン」「受け継がれたもの」「泥人間」が心に残りました。ちょっぴり切なく、心温まるモンスター・アンソロジーです。2016/03/26
HANA
51
フランケン、ゾンビ、モスマン、etc……、様々なモンスターが集まった一冊。ここでの彼らは映画みたいに派手派手しい存在ではないけれども、確実に日常にそして我々の心の襞に迫って来る。本書では全体的にモンスターは社会生活の不合理の暗喩として書かれている事が多い。その為、作品によってはモンスターの影が霞んでいるような印象を受けるものも多いが、その影による不気味さ不合理はどの作品にも底流として流れている。「ゾンビ」や「13日の金曜日」みたいなはっきりした恐怖ではなく、「ゼイリブ」みたいな薄気味悪さとでも言うべきか。2014/10/08
りつこ
34
面白かった!モンスター繋がりでこんなにバラエティに富むとは。自分のなかにある他の人たちとは異質であることへの恐怖心や孤独がモンスターと共鳴するのだろうか。訳のわからない恐ろしい存在としてではなく、ユーモラスだったり自分の領域を侵してきたり、より身近な存在として描かれた作品が印象に残った。特に「受け継がれたもの」は、身につまされていたたまれない気持ちに。「ダニエル」「ゴリラ・ガール」「泥人間」も印象的。自国でもマイナーな作品をこうして読める幸せを噛み締める。訳者の方に感謝!2015/04/03
sora
23
久しぶりの海外本です。正直言っていただけない。「どぎつい」といったら、失礼かもしれないけれど・・・モンスターは、人の心のなかにいるのもわかるけれど、描写が、描かれている行為が・・・言葉を換えれば、斬新すぎるのでしょうね、古臭い人間である私にとっては、ついていけませんでした。2015/02/06