出版社内容情報
牛が消えた後も再び草を刈り、種をまき始める元酪農家の姿を活写、困難な中で悩みながらも立ち上がる人間の再生の可能性を描く。
内容説明
「日本一、美しい村」とよばれた村が、福島県の北東部、阿武隈山地にありました。その村「飯舘」は「までい」な村とよばれます。「までい」とは、この地方のことばで、「手間ひまかけて」「ていねいに」「心をこめて」といった意味があります。この村の美しさは、村の人たちが、「までい」に田畑をたがやし、牛を飼い、村づくりを続けてきたたまものでした。乳牛50頭を飼う長谷川健一さんも、酪農家の仕事のかたわら地域の区長として、「美しい村」づくりを率先してきました。その村に突然、放射性物質が降り注ぎました。そして、村には全村避難の指示が出され、「美しい村」は、「だれも住まない村」「牛が消えた村」になってしまったのです。それでも、長谷川さんは「美しい村」が、家族や仲間とともに暮らした家や集落が、荒れ果てていくのを、ただ見ていることはできませんでした。そこで、ふたたび、仲間とともに草を刈り、畑をたがやし、種をまきはじめます。
著者等紹介
豊田直巳[トヨダナオミ]
フォトジャーナリスト。1956年、静岡県に生まれる。日本ビジュアルジャーナリスト協会(JVJA)会員。長年にわたり、イラクやパレスチナなどの紛争地で取材を続けるとともに、アジア各地の内紛・内戦などの「見えない戦争」を取材。新聞や週刊誌、写真展や講演で報告し、テレビの報道番組でも報じてきた。また、児童労働や貧困問題など制度的な差別構造にもカメラを向けてきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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