日経ビジネス人文庫
近代文明の誕生―通説に挑む知の冒険

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  • サイズ 文庫判/ページ数 260p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784532195892
  • NDC分類 209.5
  • Cコード C0120

内容説明

日本は、いかにしてアジア最初の近代文明国になったのか?静岡県知事にして、独自の視点を持つ経済史家が、世界史と日本史を融合して日本文明の特質と来歴を読み解く。読む者に新鮮な衝撃を与える歴史読み物。

目次

起の部 歴史の見方(日・英皇太子の学問;ヨーロッパとは何か ほか)
承の部 文明の交叉路から(ジパング―コロンブスの夢;瀬戸内海の直島―エーゲ海は廃墟 ほか)
転の部 ポスト近代への道(カミ・ガミ(紙・神)の交流
チャイナ(陶磁器) ほか)
結の部 「文明の精神史観」試論(「文明の精神史観」序説―廣池千九郎博士に学ぶ;日本の心の起源と目標)

著者等紹介

川勝平太[カワカツヘイタ]
静岡県知事。1948年京都生まれ。早稲田大学大学院経済学研究科博士課程修了。オックスフォード大学哲学博士。早稲田大学政治経済学部教授、国際日本文化研究センター教授、静岡文化芸術大学学長を経て2009年より現職。専門は比較経済史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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keepfine

2
「近代文明の母」としてのインドに関する記述が面白かった。インド木綿がヨーロッパ社会に入り込んだのはイギリスがアンボイナの虐殺でオランダに敗れた後、東南アジアからインドへ撤退を余儀なくされたことが契機だった。イギリスは新戦略として胡椒や香辛料の交換に使われていたインド木綿を東南アジアに運ぶのではなく本国に持ち帰り木綿という新しい衣料の需要の創出試みた。これが成功しそれまでの三角貿易から転換。皮革・毛織物をまとっていたイギリス人の間で良質のインド木綿が大流行、その対価としてイギリスからインドに金銀が大量流出。2021/10/10

はっちー

0
日本がなぜ文明国になりえたのか?ということについて、様々な史実の点を紐付けて結んでいるような書き方だった。日本の歴史だけではなく、イギリス、ヨーロッパの歴史からインド、中国の歴史まで掻い摘んでいる。2016/05/06

マウンテンゴリラ

0
著者の作品には、富国有徳、美の国日本等、魅力的な言葉が多く、人を引き付ける政治的センスにも長けた人であるという印象を持っていた。本書も同様の視点から、近代文明論、特に日本が何故非西洋国の中でいち早く近代化を成し遂げたかについて論じたものであると感じられた。しかし、日本の伝統を美化しすぎ、自然と調和する美しい国へと至ることが必然であるかのような錯覚を抱かせる点はあるような気もする。我々読者には、本書および著者の主張が素晴らしい理想であるだけに、そこへ至る困難についても考える必要があると感じられた。2013/03/29

Harry

0
近代文明史のお話。人、モノ、文化の移動が世界規模でダイナミックに動き混ざっていく様を大胆に説明している。日本を中心に据えた論調に偏っていきがちだが、著者が政治家だから仕方ないか。なかなかおもしろかったです。2011/07/07

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