内容説明
ゲノム編集は、簡単に言えば生物の持つ遺伝情報を意のままに改変することです。それだけを聞くとまるで魔術のようですが、その実は非常に基礎的な分子生物学に基づく科学技術です。
目次
第1章 まずは遺伝の仕組みを知ろう!
第2章 ゲノム編集の基礎を学ぼう!
第3章 ゲノム編集を可能にするツールとは?
第4章 先端技術はどうなっているの?
第5章 世界を変えてゆくゲノム編集の応用
第6章 ゲノム編集のこれから
著者等紹介
宮岡佑一郎[ミヤオカユウイチロウ]
埼玉県出身。2004年、東京大学理学部生物化学科卒業。2006年東京大学大学院理学系研究科生物化学専攻修士課程修了。2009年同大学院博士課程修了。博士(理学)。2009年4月、東京大学分子細胞生物学研究所助教。2011年7月、米国Gladstone研究所、UCSFポスドク。2016年1月より、公益財団法人東京都医学総合研究所、再生医療プロジェクト、プロジェクトリーダー(現職)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
GX
5
自分で研究するわけではないので、そんなに詳しく知る必要はなのだけれど、あまりにも知らなさ過ぎて、話についていけないので、まずは、第一歩として。これから、さらに数冊基礎的な本を読んで、まずは、基礎作りをします。具体的なところは、いろいろと教えてもらいながら、学んでいきたいと思います。2019/04/21
ねころじ
4
医科生物を思い出した。ざっくり理解するとCRISPR CASなどでゲノムを編集することができると。HIVはCCR5を認識してT細胞に入り込むため、CCR5が発現していない人の骨髄を移植された患者でAIDSが治癒した。がん細胞はPD-1を発現して自己免疫にブレーキをかけるので、オプジーボはPD-1を抑制してがん細胞に自己免疫を働かせるようにする。ざーっくりと理解!2019/04/27
6ちゃん
3
生物学の基礎知識が僅かでも、一からゲノム編集の仕組みが理解できる良書。コロナ以前に書かれているが、PCRの平易な説明もある。ウィルスも細菌も毛嫌いされる存在だが、遺伝子研究には必要不可欠な存在で、むしろ彼らの数十億年磨き上げた技を、人間が掠め取って利用している、という構図であると理解した。まだ細菌の力を大いに利用している状態だが、細胞やタンパク質も自在にデザインし、狙い通りの効果を発揮する技術はまだまだ先になりそうだ。2020/09/18
The pen is mightier than the sword
3
トコトンやさしいとあるが、遺伝子やゲノム編集の具体的イメージがない人にとってはけっこう難しい。本は理解を促すためか、難解な事象を極力単純化したイラストを用いて描いている。初めに遺伝子の説明がある。一読では理解できなかったが何度か読み直すとけっこう理解は進む。興味深いのは、「世界を変えていくゲノム編集の応用」と「ゲノム編集のこれから」である。ゲノム編集で可能な牛の品種改良などは実際に畜産に役立つようである。本では分子レベルの事象のイラストなどがたくさんあり、もよく検討された結果がここで紹介されている。3452019/12/19
おの
3
図書館本。バイオ関連の勉強がマイブーム。この本を読む前に前にCRISPER/Cas9のことを色々調べたけれど、それでもなお全部理解するには程遠い。トコトンやさしいらしいが、文系にはつらし。知れば知るほどもっと知りたくなる。ロマンだな…!2019/06/01