内容説明
「カワイイ」価値をめぐる冒険の旅へ。「カワイイ」に代表されるポピュラーな感性的価値に、一流の研究者たちが学問領域の枠を超えて真摯に向き合う。社会のダイナミズムとメカニズムの実態に迫る、シリーズ第二弾。
目次
第1章 なぜいま、「カワイイ」が人びとを引きつけるのか?―「カワイイ」美学の歴史的系譜とグローバル世界
第2章 「かわいい」の系統的研究―工学からのアプローチ
第3章 絵双紙から漫画・アニメ・ライトノベルまで―日常性の再構築のメディアとしての日本型コンテンツ
第4章 カワイイと地元経済―ローカル・キャラクターの経済効果
第5章 かわいいとインタラクティブ・メディア
第6章 複製技術と歌う身体―子ども文化から見た近代日本のメディア変容
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
バンル
2
カワイイ文化に関する6つの学問からアプローチされている。”カワイイ文化”と言う共通する事象に対して,様々なアプローチがあることがとても面白かった。自分はもともと,テクノロジーの付加価値になる文化や新しい文化を創造するテクノロジーに興味があるため,この本の2章の感性工学からみる可愛いという感情の考察や5章のアミューズメント施設等におけるカワイイ文化を取り入れたインタラクティブメディア,6章のレコードの誕生と音楽文化の変化がとても興味深かった。2023/02/28
トーテムポールさん
1
文化、社会、経済、工学、という多様な観点で書かれた各章が全て「カワイイ」をテーマに書かれている。各章は15ページほどで、少々物足りなくも感じたが、本来なら自分で大量の文献を漁らなければ、一つのテーマを複数の学術的な視点で見る、ということは、この「カワイイ」という俗なテーマでは特に困難なのでその点で有益だった。日常性や不完全なもの、人工物からアニメキャラクターまで全てを包み込む概念が「カワイイ」らしいので、この本の、学問を跨いで包括する試み自体が既に「カワイイ」のかもしれない???2019/08/15