グローバリズムという病

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グローバリズムという病

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  • サイズ B6判/ページ数 212p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784492314500
  • NDC分類 333.6
  • Cコード C0033

出版社内容情報

グローバリズムへの違和感を綴った経済エッセイ。わたしたちが逃れ得ぬ病に罹患しつつも、それでも生き延びていくための道筋を示す。

内田樹氏推薦!
「これは平川君の書き物のうちでも最良のもののひとつだと思う。
僕はこの本のすべての頁に同意署名できる。」

東洋経済ブックスオンラインの人気連載を加筆・修正し単行本化。
著者が、常々感じていたグローバリズムというものに対する違和感を綴った経済エッセイ。

グローバル企業、グローバル人材などの「グローバル○○」という用語。
ニューストピックなどで見かけない日がないといっても過言ではありません。
同時に、グローバル、グローバルと迫られても「なんだかなあ」「もうウンザリ」と違和感をもつ方も少なくないはず。
そんなモヤモヤした気持ちをもたらす由縁である「グローバリズム」の正体を丁寧に解きほぐしていく一冊です。

グローバリズムは、資本主義が生き延びるための最後の処方箋かのようにいわれていますが、はたしてそうなのでしょうか?
むしろ資本主義が必然として生み出す副作用ではないでしょうか?
本書ではわたしたちが逃れ得ぬ「グローバリズムという病」に罹患しつつも、それでも生き延びていくための道筋を示します。

また、税逃れのタックスヘイブン、残業代ゼロ・低賃金かつ解雇自由な労働環境の整備が進むなど、このままでは国民国家が株式会社に乗っ取られるかのような動きも見られます。
国民国家と株式会社が手を携えて発展していた健康な時代が終わり、株式会社が病としか言いようのない行動をとるようになった背景には何があったのかも明らかにします。

第1部 グローバリズムはどこから来たのか ~グローバル信仰とその起源

 第1章 「生態系」を破壊するグローバリズムという病
 
 第2章 日本人の独特なグローバル信仰

 第3章 「グローバル人材」論と英語力

 第4章 銃規制をできないアメリカと、グローバリズムの起源

内容説明

「グローバル○○」って、いい加減ウンザリしませんか?税逃れのタックスヘイブン、残業代ゼロ・低賃金かつ解雇自由な労働法…このままでは国民国家が株式会社に乗っ取られる!

目次

第1部 グローバリズムはどこから来たのか―グローバル信仰とその起源(「生態系」を破壊するグローバリズムという病;日本人の独特なグローバル信仰;「グローバル人材」論と英語力;銃規制をできないアメリカと、グローバリズムの起源;グローバリゼーションとグローバリズム)
第2部 国民国家を乗っ取る株式会社―経済が社会を牛耳るコーポラティズム(株式会社対国民国家;租税回避で海外逃避する企業;新自由主義の正体;戦後体制の崩壊と、消えた国民経済;国民国家の理念の背馳する特定秘密保護法)
第3部 グローバリズムはどこへ行くのか―対抗する思想(グローバリズムとはお金儲けのための世界レベルの競争戦略;家族制度の長い歴史と株式会社の驚くほど短い歴史;失われた生活者の思想と、根拠地の思想を求めて)

著者等紹介

平川克美[ヒラカワカツミ]
1950年東京生まれ。1975年、早稲田大学理工学部機械工学科卒業。渋谷道玄坂に翻訳を主業務とするアーバン・トランスレーションを内田樹らとともに設立、代表取締役となる。現在、株式会社リナックスカフェ代表取締役。立教大学大学院ビジネスデザイン研究科特任教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ヒデミン@もも

44
序文が、哲学的で文学的で良かった。「一体、わたしたちはナニモノなのか。別にそんなことを意識しなくとも生きていけるが、昨今のように、グローバル、グローバルと言われると、わたしはそんな空疎な概念に寄り添うのではなく、もっと身近な小さなことのために生きているのだと言ってみたくなる。身の回りの人々と、日々の生活の中で関係し、喜怒哀楽を分かちあうような生き方をしてはいけないのかと言いたくなる。」カッコイイけどグローバルな生き方をしてきた平川さんだからこそカッコイイ。後半は私には難しい経済論。ウルグアイの大統領の演説2015/05/25

シュラフ

22
問題を考えるにあたっては言葉の正しい理解が必要である。"グローバリゼーション"は国と国がある限りは通商などで必ずおこりうるもの。だが、"グローバリズム"というのは、国家間の障壁をなくそうという動きであり、世界がひとつの市場・ひとつの通貨・ひとつの言語を目指すもの、つまりはローカル性の喪失ということである。いまや日本の各都市が同じ景色になってしまったように、世界の各都市も同じ景色になるということ。"グローバリズム"というイデオロギーに対しては「それでわれわれは幸せになれるのか」ということの問題認識が必要。2015/06/28

おおにし

20
グローバル化は歴史の必然でもなんでもなく、国民国家を崩壊させるグローバリズムというイデオロギーが、伝染病のように先進国を中心に世界へ蔓延しつつある。グローバリズムを病と考えると、グローバル化を推進する人たちが語るまったく変な理屈も病に侵されているからだと理解できます。しかし、この難病を治す治療薬があるのかどうか。これが次の問題です。2014/10/25

テツ

16
資本主義社会の効率化のため(だけ)に素晴らしいことだとされてきたグローバリズムにも綻びと軋みがあるとみんなが理解し始めた今の時代にこそ読み直したい。全ての障壁をなくし同じ言語が通じる均一な世界って本当に素晴らしいのだろうかという疑問は以前から抱いていたけれどそれに対するモヤモヤが多少解決した気がします。今は世界の秩序が創り変えられる瞬間に生きているんだろうな。この先の国々の在り方やそこでの社会活動はどうなっていくのか楽しみではあります。2020/06/21

ophiuchi

15
これを読んで、なぜ自民党や維新の党などの政治家が経済成長を絶対条件としているのか、TPPが目指すところなどについて、納得のできる答えが得られたように思う。2014/10/27

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