出版社内容情報
ここにあるべきではない四番目のマカロンの謎、マスタードが入った当たりのあげパンの行方。なぜかスイーツがらみの謎に巻き込まれがちな、小鳩君と小佐内さんの探偵行。「小佐内先輩が拉致されました!」「えっ、また?」お待たせしました、日々つつましく小市民を目指す、あの互恵関係のふたりが帰ってきます。人気シリーズ11年ぶりの最新刊、書き下ろし「花府シュークリームの謎」を含めた番外短編集。四編収録。
内容説明
「わたしたちはこれから、新しくオープンしたお店に行ってマカロンを食べます」その店のティー&マカロンセットで注文できるマカロンは三種類。しかし小佐内さんの皿には、あるはずのない四つめのマカロンが乗っていた。誰がなぜ四つめのマカロンを置いたのか?小鳩君は早速思考を巡らし始める…心穏やかで無害で易きに流れる小市民を目指す、あのふたりが帰ってきました!
著者等紹介
米澤穂信[ヨネザワホノブ]
1978年岐阜県生まれ。2001年、『氷菓』で第5回角川学園小説大賞奨励賞(ヤングミステリー&ホラー部門)を受賞してデビュー。11年に『折れた竜骨』で第64回日本推理作家協会賞、14年には『満願』で第27回山本周五郎賞を受賞。『満願』および15年発表の『王とサーカス』は三つの年間ミステリ・ランキングで1位となり、史上初の二年連続三冠を達成した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
589
新型コロナウィルス対策購入シリーズ第48弾、米澤 穂信は、新作をコンスタントに読んでいる作家ですが、この小市民シリーズは、初読です。私はスウィーツは好きですが、いわゆるスウィーツ男子ではないので、本書は少し甘く軽過ぎるかも知れません。オススメは、『花府シュークリームの謎』です。 http://www.webmysteries.jp/archives/21463099.html2020/05/17
文庫フリーク@灯れ松明の火
363
表紙の小鳩くん・小佐内さんは完全な冬装備なのに「冬季限定」とタイトルに付かない不思議。そして目次から頭を悩ます。「巴里マカロンの謎」「紐育チーズケーキの謎」「伯林あげぱんの謎」パリ・ニューヨーク・ベルリンは読める。「花府シュークリームの謎」まさか「花府」があのイタリア都市とは(唖然)表題作、小佐内さんの解決策「ぽっけないない」に爆笑。古城秋桜はレギュラーメンバーになる?「伯林あげぱん」で酷い目にあった小佐内さん、狼になるかと期待したのに不発、逆に「花府シュークリームの謎」では「わたし、死ぬの?」と、→続2020/02/09
cinos
315
久々の小市民シリーズの短編集。指輪が入ったマカロンが皿に置かれた謎、「えっ、また」に笑った拉致られる小山内さん、マスタード入りのあげパン、飲酒写真の謎。どれも楽しめたが、特に、第2話のCDの隠し場所がすごい。一瞬で思いついた小山内さん、すごすぎ。2020/02/21
ふじさん
312
「ミステリーズ!」初出の三作に書き下ろしを加えた、十一年ぶりの新刊となる「小市民シリーズ」番外短篇集。本書に関してはシリーズ内に於ける時間軸設定がとにかく秀逸。あの事件も騒動も起こる前とあって、ロジカルな謎解きの愉楽を純粋に、存分に味わえる一冊だった。『秋』以降の新展開を期待すると肩透かしかも知れないが、全編を貫く縦軸の物語はこのシリーズらしい苦さで良い。白眉は「伯林あげぱんの謎」。元々犯人当て企画で書かれた作品だけに難易度調整は緩めだが、真相が見通せて尚、ニヤリと結末を楽しみに出来るプロットが愛らしい。2021/10/11
ジンベエ親分
301
小市民シリーズ11年ぶりの新刊! …ん? タイトルは「冬期限定」じゃないの? 11年も待たせて番外編とか? 読んだら2人が高校1年の秋から冬にかけての話、つまり「春期限定」と「夏期限定」の間の話だった。まあ面白いよ。この2人独特の掛け合いは健在だし、本編では割とこの2人が独立して動くことが多かったので、協力して謎を解くのもちょっと新鮮。だがしかし、だがしかしだ。やはり小佐内ゆきの「会心の笑顔」が見られない(読めない)小市民シリーズは、やはり物足りないのだ。こんなのでお茶を濁してないで「冬期限定」をはよ。2020/02/02