創元推理文庫
赤い右手

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  • サイズ 文庫判/ページ数 265p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784488134082
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

出版社内容情報

ハネムーン途上のカップルとヒッチハイカーが出会ったとき、運命の歯車が異常な回転を始めた。悪夢の一夜に起こった連続殺人、その真相は? 独特の味わいを持つ狂気の本格ミステリ。

内容説明

エリナ・ダリーは縁あって裕福な実業家イニス・セントエーメと婚約し、車を駆ってハネムーンに出発した。ところが希望に溢れた旅路は、死んだ猫を抱えたヒッチハイカーとの遭遇を境に変容を余儀なくされる。幸福の青写真は引き裂かれ、婚約者と車を失ったエリナは命からがら逃げ惑う破目に。彼女を救ったリドル医師は、悪夢の一夜に起こった連続殺人の真相に迫ろうとするが…。

著者等紹介

ロジャーズ,ジョエル・タウンズリー[ロジャーズ,ジョエルタウンズリー] [Rogers,Joel Townsley]
1896年ミズーリ州生まれ。ハーヴァード大学に学び、海軍航空隊除隊後、雑誌の編集者をしながら執筆活動に勤しむ。1984年歿

夏来健次[ナツキケンジ]
1954年新潟県生まれ。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ちょろんこ*勉強のため休止中

156
読者の推理を完全に拒否するようなミステリー。時空列も前後しまくり、フェイクの伏線が多くどれが本当か分からない。偶然な出来事もやたら起こる。ついていくのが精一杯で、突拍子もないラストには唖然。ネタバレになってしまうのであまり書かないが、サイコがかった珍作ミステリー。ただ妙に緊迫感がある芝居がかった文章で最後まで引き込まれて読んでしまった。主人公の語り口がオカルトじみていて薄気味悪いが、それこそがこの作品の大掛かりな舞台装置。まさにカルト作!ややタッチが古臭いがエンターテイメント性もあり面白かった。2014/12/27

紅はこべ

121
国書刊行会の世界探偵小説全集の初期に出た本作の衝撃は忘れられない。あのシリーズが続いたのは、本作の功績があるのかも。文庫化で嬉々として買ってしまった。悪夢のような語り口、前後する時系列、巧妙なミスディレクションと伏線の連鎖。ある人物が犯人でないと言うことだけは覚えていて、ただ犯人は忘れていたので、またまた衝撃を受けた。ただ帽子がそこにあった謎は残っている。文庫オリジナルの訳者の方が作成なさった地図は助けになった。偶然の続きすぎと言うきらいはあるが。ミステリ好きなら必読の傑作です。2018/08/23

夜間飛行

68
脚のねじれた男=コークスクリューはどこに消えたのか? 彼の姿を多くの人が目撃したのになぜ語り手だけが見なかったのか? 芥川の「藪の中」に少し似ているけれど全く違う…あの話では一つの事件が人によって様々な見え方をするが、この小説では大勢の見たものを一人だけが見ないという事態が起こる。ミステリとしてアンフェアだという評価もあるようだが、私はそうは思わなかった。手掛りと真相との間に齟齬はないし、事件の全貌もきちんと筋が通っている。いわゆる叙述トリックとは一線を画しながら、文体のレベルで謎に巻きこむ腕前は見事だ。2015/03/01

HANA

59
ミステリ。一読しただけでも何箇所か見つけれる推理の穴、入り乱れる時系列とミステリとしては正直首を傾げる出来。真相を知った時は思わず声を上げてしまった。コレ読者が推測できる真相じゃないよ……。ただし作品全体を覆う不穏な空気が、そんな小さい事など吹き飛ばしてしまう。どことなく熱に冒されたような、御筆先みたいな奇妙な文体が延々と続き読んでいるうちに悪夢の中を彷徨ってるような気分になってくる。後書きでもふれられていたけど、これはまさに文章がトリックだよなあ。奇妙な魅力を持つ怪作としか表現の仕様がない一冊だった。2015/01/05

yumiko

35
帯の煽り文句に釣られて読んで見た、98年版「このミス」2位の作品。不安定な語りが何とも落ち着かなく、歪んだ時系列や不穏な空気に、否応無く混乱させられる。読んでいるこちらの頭がおかしくなったのではと思わせるような、何とも言えない心許なさ。「一世一代の超絶技巧」とはこういうことか…。真っ先に怪しいと思う人物が犯人ではないことは、ミステリーの常道だけれど、ここまでされたら誰だってそう思っちゃうよ!呆気にとられたミステリーって久しぶりかも(昔カーであったような…)帯文句通り、確かに怪作です。2014/12/26

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