出版社内容情報
業界のご意見番による焼肉うんちく本の決定版を、増補文庫化。あの有名店もこの有名店も、みんなこの本で学んでいる!解説 金信彦焼肉トラジ社長
内容説明
焼き肉店のメニューの一つ一つは、偶然に出来上がったものではない。長い歴史の中で、人々の生活の知恵が積み重なってつくられてきた「文化」なのである。だから、おいしいだけでなく、科学的に見てもすばらしい価値を持ったものが多い。焼き肉料理を単に楽しむのもいいけれど、この本を読んでから、また読みながら食べると、いままでとはまた違った味わいを口中に感じること、請け合いである。
目次
肉・各種と薬念(ユッケ;ロース ほか)
漬物とつまみ(白菜キムチ;カットゥギ ほか)
スープと鍋(ワカメスープ;ユッケジャンとテグタン ほか)
飯と麺(ピビンパプ;クッパ ほか)
酒と塩辛(焼酎(焼酒)
マッコルリ、清酒 ほか)
著者等紹介
鄭大聲[チョンデソン]
1933年京都府生まれ。食文化史研究家。焼肉トラジ顧問。元全国焼肉協会顧問。滋賀県立大学名誉教授。理学博士。モランボン味の研究所所長在任中に、焼肉のタレ「ジャン」を開発した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shoji
41
焼肉というより韓国の食文化について書かれた本です。大学の先生が書いただけに、理論的です。民俗学的な考証があったり、科学的な考証があったり。ですが、決して学術的な叙述でなく、読者に韓国の庶民料理を楽しく分かりやすく伝えようとなさっています。ゆえに、焼肉が食べたくなる一冊でもあります。2019/06/16
niz001
8
まさに『焼肉大学のテキスト』って感じ。肉の種類が少ないのがちょっと寂しいぐらいで、焼肉店に関する主にメニュー類がわかりやすく解説されてる。珍しいとかお目に掛かれないと書かれてる物がそうでもないのは、刊行から15年経ってる所為かそれとも自分が鶴橋基準wの所為か。2017/11/12
T.Matsumoto
6
タイトルに惹かれて購入。でも。焼肉のことは約2割、大半はクッパやビビンパ、チヂミ、キムチ、ナムル、冷麺、マッコリなどの韓国料理文化史です。タン塩は取り上げられていなかったり、トウガラシの韓国への伝来が遅いのは意外でした。メニューごとに由来を説いているので、地理や歴史的な影響、発明者などの豊かなストーリーなが、食欲をそそります。でも、こどもが小さいから行きづらいんだよなぁ、焼肉屋。いきたいなぁ。2018/02/03
siomin
4
最近復刊本が目立つちくま文庫ですが、この本も2001年刊行の本が復刊されました。「焼肉」と題されていますが、肉の話題は最初くらいで、それ以降は韓国料理店で供されるメニューを細かく解説しています。日本の焼肉文化は在日朝鮮人によるところが大きいのですが、日本でも独特の発展を遂げているので、例えば焼肉店でおなじみのチャンジャは朝鮮半島では通じないというのは面白い。写真類は全く無いですが、読んでいると焼肉を食べたくなります。2018/02/23
Kei Kobayashi
4
【日本の焼肉屋】戦後、在日の韓国・朝鮮の人達が、生きる糧として、慣れ親しんだ故郷の食生活を外食産業化したものがルーツ。今は、ファミレスや居酒屋風の店が目立つが、奥が深い。 【環日本海文化圏】ハムギョンド(北朝鮮)には、ハタハタ寿司と同じ馴れずしがあるそうだ。発酵食、山菜―朝鮮の食文化は、秋田との共通点も多い。 【戦争と酒】植民地統治時代の酒税令により、朝鮮で自由だった家醸酒が禁止され、その文化が消えた。その後もかつての多様な家醸酒文化は復活せず、現在に至る―戦争の影響はこういうところにも及んでいるのか。2018/01/05