ちくま学芸文庫
現象学の思想

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  • サイズ 文庫判/ページ数 221p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784480085702
  • NDC分類 116.7
  • Cコード C0110

内容説明

20世紀初頭にフッサールによって創唱された現象学は、哲学のみならずその後の諸思想に大きな知的革新の役割を果たした。本書は,“現象学とは何か”“フッサールとハイデガー”“メルロ=ポンティと構造の概念”“メルロ=ポンティと「制度化」の概念”“現象学と弁証法”の5篇の論考を収録し、現象学の成立と展開、その核心を考察する。文庫版オリジナル。

目次

現象学とは何か
フッサールとハイデガー―ブリタニカ論文草稿群をめぐって
メルロ=ポンティと構造の概念―覚え書
メルロ=ポンティと「制度化」の概念
現象学と弁証法

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゲオルギオ・ハーン

23
木田先生の若い頃(といっても30ー40代頃)の論文ということであとがきで書いているとおりまとまりが悪く、論文というよりは考察メモのようだった。現象学や構造主義というのは本人の認識次第で解釈がいくらでも変わる(認識されているところまでが歴史とか)ようで客観性を大事にする科学とは違う立ち位置なのかなぁくらいには思いました。個人的に哲学はキリスト教との絡みで考えてあげないと捉え方というか筋道の立て方がイマイチよく分からないと思いました。あとは各哲学者の経歴も分からないとなんでそう考えたのかが理解しづらい。2021/04/08

うえ

4
1964年から80年にかけての著者の五つの論文をまとめたものである。「伝えられるところでは、ハイデガーは『存在と時間』の33年以後すべての版から、フッサールへの献辞を削ったという。(もっとも、これを伝えているヒューナーフェルトという男は、ハイデガーにかなりの悪意をもって物を言っているようだから、あまり当てにはできない。現に筆者の持っている第七版にはこの献辞が立派に見られる以上、少なくとも「すべての版」というのは間違いであろう)」こういう証言はかなり貴重。2024/01/01

gorgeanalogue

1
フッサールの「沈殿」という概念など、非常に興味深い。でもフッサールやハイデガーよりも、やはりメルロ=ポンティに関する論文が魅力的で、木田氏の手にかかると、親密でポジティブな、生きられるべき「世界」とか「歴史」の開かれが実感できるような気がする。構造主義とか弁証法的唯物論などの現代思想のクリアな手引きにもなっている。2017/09/29

1
木田元の(珍しい?)論文集。ブリタニカ草稿をめぐるフッサールとハイデガーの対立について素描されている。必見と言うほどでもないかもしれないが。2014/12/24

Bevel

1
木田元の論文はほんとおもしろい。内容が濃密で、きれいに短くわかりやすくまとめてしまう人。すごくいい。2010/02/05

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