内容説明
道具を清め整えて飾り、茶の湯の準備をするための空間「水屋」。その成立過程と変遷を史料を追いながら考察する初めての研究書。「室町時代の会所」「水屋という表現」「水屋神社」「水屋棚の成立と発展」「勝手と鎖の間」など、各時代の茶人たちが残した記録から見える水屋の歴史と、そこに込められた茶の湯の理念を探ります。
目次
第1章 研究史と茶の湯空間概論
第2章 水屋の基本構成
第3章 水屋成立以前の勝手空間
第4章 水屋成立過程期
第5章 水屋成立期
第6章 水屋充実期(十八世紀)
第7章 水屋充実期(十九世紀)
第8章 近現代の水屋空間
第9章 名席の水屋
著者等紹介
飯島照仁[イイジマテルヒト]
茶室建築家。茶道家。博士(芸術学)。1958年群馬県生まれ。宝塚造形芸術大学(現宝塚大学)大学院造形研究科博士後期課程修了。裏千家学園茶道専門学校卒業。1989年、一般財団法人今日庵に入庵し、裏千家家元の重要文化財建造物の保存及び数寄屋建築に従事。国内外の茶室と露地の設計及び建築に携わる。現在、井田林業数寄空間研究室室長兼代表取締役。また、宝塚大学講師、京都先端科学大学講師、裏千家学園茶道専門学校講師、茶の湯文化学会理事などを務める。茶名は宗照。三心会代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Go Extreme
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研究史と茶の湯空間概論:水屋研究史 茶の湯空間 茶人の理念 水屋の基本構成:構成要素 茶室と水屋の位置関係 水や成立以前の勝手空間:主殿造と書院造 会所と茶の湯 水屋成立過程期:くつろぎの間 勝手の初出 水棚 勝手の意味の広がり 勝手と構え 水屋成立期:鎖の間・書院的機能と勝手的機能 茶室の草体化 水屋神社 水屋と水谷 水遣 水屋充実期・18世紀 水屋充実期・19世紀 近現代の水屋空間 名席の水屋:表千家 武者小路千家 如庵亭 燈心亭 澱看席 裏千家 湘南亭 忘筌 金地院八窓席 蓑庵 2021/03/01