出版社内容情報
ベル・エポックから狂乱の時代へ。豊穣な文学の開花とそれを突然断ち切った大戦。大戦前後に起こった芸術上の転回とはいかなるものだったのか?戦時中の文学状況を「戦争文化」という概念を手がかりに考察する
内容説明
「戦争文化」は文学に何をもたらしたのか?ベル・エポックから狂乱の時代へ。豊穣な文学の開花とそれを突然断ち切った大戦。大戦前後に起こった芸術上の転回とはいかなるものだったのか?戦時中の文学状況を「戦争文化」という概念を手がかりに考察する。
目次
第1章 戦争への期待―大戦前夜の文学状況から
第2章 総動員体制下の文学
第3章 戦争を書く―アンリ・バルビュス『砲火』をめぐって
第4章 モダニズムの試練
第5章 文学の動員解除
第6章 言語の不信―ブリス・パラン『人間の悲惨についての試論』をめぐって
著者等紹介
久保昭博[クボアキヒロ]
1973年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科満期退学。パリ第三大学博士課程修了。現在、京都大学人文科学研究所助教。文学博士。専攻はフランス文学、文学理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nranjen
6
戦争が描かれている作品のみならず、戦争が影響を及ぼした活動(未来派、ダダ)、戦争に対する考察(ロマン・ロラン、アラン)、戦争がもたらした影響(ブリス・パラン、デュアメル、チボー)など幅広く文学史を拡張する形で述べられている。微妙にドリュ・ラ・ロシェルなど次の大戦により深い関わりがあるものは避けられているし、エリュアール等は軽く触れられているのは個人的に残念な気がするが、アポリネールの分析やブリス・パランに関しては素晴らしい。第一次大戦の時系列的戦争の受容の変化にも触れられている。2020/04/25