「エクリ」を読む―文字に添って

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「エクリ」を読む―文字に添って

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  • サイズ A5判/ページ数 286p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784409330524
  • NDC分類 146.1
  • Cコード C3011

出版社内容情報

ラカン『エクリ』(1966年)の初めての完全版英訳者ブルース・フィンクによる、忠実な読解。

ラカン『エクリ』(1966年)の初めての完全版英訳者ブルース・フィンクによる、忠実な読解。シニフィアン連鎖を扱った「無意識における文字の審級」、欲望論「主体の転覆」など、ラカンの代表的論文、概念が明晰な読解で甦る。

「本書は初の試みとして、ひとつの暗黙の挑戦に取り組もうとするものである。すなわち、ラカンをラカンの言葉にもとづいて読むこと、ラカンのテクストを文字に添ってa la lettre――つまり文字どおりに、かつ文字に向きあって――読むことである。」(フィンク)

本書の読解作業は、ラカンの作品のうちに結晶化する文字への感性にたいして、内容の次元からのみならず、実践の次元からも、忠実な応答を試みたものなのである。わたしたち読者もまた文字への感性に忠実に、すなわち「文字に添って」本書を読むことが求められよう。著者の助言どおり、本書の傍らに『エクリ』の仏語原典なり、邦訳なり、英訳なりを用意しつつ、文字から文字へと繰り広げられるラカン読解の妙味を追いかけていただきたい。(「訳者解説」より)

第1章 「治療の指針」におけるラカンの精神分析技法

自我はすでに十分強い
分析は二項的な関係性ではない
なぜ自らの存在を用いて分析すべきではないのか:マーガレット・リトルが論じる解釈について
なぜ私たちは転移を解釈すべきではないのか:フロイトの同性愛女性の症例
無意識的な欲望を意識的な欲望と混同してはならない:機知のきいた肉屋の妻
不在を喚起すること:強迫症の男に関するラカンの症例
出来事
隠されたカード

欲望とその欲望への軽蔑のあいだを潜り抜ける
なぜ私たちは分析主体に私たちへの同一化を推奨すべきではないのか

第2章 ラカンによる自我心理学三人衆(トロイカ)の批判:ハルトマン、クリス、レーヴェンシュタイン

精神分析を精神分析する
自我心理学の理論的基礎
自我心理学の臨床的アプローチ
  アンナ・フロイトの侮辱的な分析主体
情動についての補説
エルンスト・クリス、あるいは私たちが主体の防衛を分析すべきでない理由:新鮮な脳を渇望する男の症例
  セミネール第3巻でのクリス
  「フロイトの「否定」についてのジャン・イポリットにおける評釈への応答」におけるクリス
  「治療の指針」におけるクリス
結論

第3章 「無意識における文字の審級」を読む

ラカンの修辞学
書きもの
発話
文彩
第1 節:文字の意味
散らかった文字くず
言語学を基礎づけるアルゴリズム
思考の連なり:いかなる意味作用も持たない(しかし多くの意義を持った)差異
シニフィアンの「仕様書」
「シニフィエの横滑り」
ラカンの「引用」
言語によって自分が言っていることの真逆のことを伝えることができる
父性の謎めいたシニフィアン
隠喩について
第2 節:無意識における文字
無意識の局所論
シニフィアンの主体、あるいはシニフィエの主体
隠喩と症状

第4章 「主体の転覆」を読む

主体と知の関係
知の体制と真理の体制をひとつに結びつける
欲望のグラフ
グラフ1 の注解
グラフ2 の注解
グラフ3 の注解
完全版グラフの注解
グラフの頂点を横断する運動
結論

第5章 ラカン的ファルスとルートマイナス1

ファルスの強調
なぜファルスのことでそんなに心穏やかでないのか
ラカン的「代数」

第6章 テクストの外で――知と享楽:セミネール第20巻の注釈

発話
ラカンの初期の仕事を再訪する
前科学的な文脈における知
知と全体
数学化なしの形式化
知は享楽の欠乏からはじまる
性別化
性別化の公式
主体と〈他者〉
結論

原注
『セミネール』文献目録
訳者解説
索引

【著者紹介】
ブルース・フィンク/Bruce Fink/現在、デュケイン大学心理学教授。翻訳に、『ラカン派精神分析入門』(中西之信、椿田貴史、舟木徹男、信友建志訳、誠信書房、2008年)、『精神分析技法の基礎』(椿田貴史、中西之信、信友建志、上尾真道訳、誠信書房、2012年)がある。

内容説明

ラカン『エクリ』(1966年)の初めての完全版英訳者ブルース・フィンクによる、忠実な読解。シニフィアン連鎖を扱った「無意識における文字の審級」、欲望論「主体の転覆」など、ラカンの代表的論文、概念が明晰な読解で甦る。

目次

第1章 「治療の指針」におけるラカンの精神分析技法
第2章 ラカンによる自我心理学三人衆の批判:ハルトマン、クリス、レーヴェンシュタイン
第3章 「無意識における文字の審級」を読む
第4章 「主体の転覆」を読む
第5章 ラカン的ファルスとルートマイナス1
第6章 テクストの外で―知と享楽:セミネール第20巻の注釈

著者等紹介

フィンク,ブルース[フィンク,ブルース] [Fink,Bruce]
現在、デュケイン大学心理学部教授。『エクリ』の初めての完全版英訳者

上尾真道[ウエオマサミチ]
1979年福岡県生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了。博士(人間・環境学)。現在、立命館大学衣笠総合研究機構専門研究員

小倉拓也[オグラタクヤ]
1985年大阪府生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了。現在、日本学術振興会特別研究員

渋谷亮[シブヤリョウ]
1979年福岡県生まれ。大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程修了。博士(人間科学)。現在、成安造形芸術大学講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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またの名

8
ついに邦訳されたフィンク代表作。ポモ叩きに活用されることで有名な「勃起性のファルスは√-1」の命題を正面から取り上げてソーカルらとのすれ違いがどう起きているか考察し、彼らに欠けていた読解に必要な前提と、実際に可能な読解を示す5章は濃厚。唯一書いた本さえまともに読めない難文で記したラカンの意図と手法と思想を丹念に分析し、想像的関係に留まる自我心理学の問題点からソシュールの図式の転倒、欲望のグラフの精読、数式化や性別化など様々な論点を満載。意味不明な箇所を判ったフリはしないと宣言する謙虚さで明晰な解説に導く。2016/03/11

かがみ

0
ソシュールによればシニフィアンとシニフィエは不可分一体とされるが、ラカンは両者を独立の存在として捉え、さらに、シニフィアンの優位を強調する。発話はシニフィアンのシステムに依拠しているが、そこには呼吸、顎、舌といった身体的要素が導入される。すなわち、発話においてはシニフィアンの主体と享楽の主体が同時に生じる。「欲望のグラフ」では、下段(言表)がシニフィアンの主体であり上段(言表行為)が享楽の主体に相当する。前期ラカンの集大成とも言える「主体の転覆」読解資料として、読んでおくべき一冊。2017/07/23

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