感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
6
連想実験は、ある刺激語に対する患者の自由連想からではなく、あるテーマの下で精神科医が準備した複数の刺激語に対する反応時間や身体の反応から無意識を引き出す。それら記録データから患者のコンプレックスを取り出して解放するのが治療目的だが、当初は犯罪の解決に利用されたという(著者も犯人を突き止めた例がある)。確かに、コンプレックスの原因を過去の出来事に求めるような無意識の扱いが残る本書にはフロイトやブロイラーの影響があるのだろう。が、著者は夢でなく覚醒意識下でも無意識を分析できることを、この実験から見出していく。2021/06/11