出版社内容情報
「アンナ・Oの症例」をふくむ初期の大著『ヒステリー研究』と、初期論文 「科学的心理学草稿」 を収録した。従来殆ど未研究のヒステリー症に新しい研究分野を拓くとともに、その後のフロイト思想の発展と展開をうかがわせる興味深い一巻である。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
23
精神的な話は今だ解明できていない部分が多いと感じていますが、ただいなアプローチをしたのが著者なのかなと思います。心的外傷の記憶が薄れることがなくいやすべての症状は過剰規定されており精神治療は難しいという話は納得できました。2023/02/04
ケーキ
0
ヒステリー研究所収の本書、ポイントとなるような内容は他の入門書等でよく紹介されているもので、それにならって読んだ感もあるが、そういったポイント以外も興味深く読んだ。それは新しく取り組みはじめた仕事に向き合うフロイトの反省や、思考のプロセスといえるかもしれない。思考の荒野を進んでいく人間の軌跡の描写として。 (あと単純に入門書で触れられてないポイントも結構ある。そこも面白い。触れられていない、というのはいわずもがな彼の仕事のひとつの大きな要点だろう。)2022/09/10