出版社内容情報
「性欲論三篇」「女性の性愛について」「ナルシシズム入門」「性格と肛門愛」「幼児の性理論」「リビドー的類型について」「解剖学的な性の差別の心的帰結の二、三について」「ある五歳男児の恐怖症の分析」「あるヒステリー患者の分析の断片」「呪物崇拝」他を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
きゃんたか
14
新生児は性を携えて誕生する。皮膚の特定部位に性的快感を生ずる自体愛期を経て、思春期には生殖器がその最高位のものとなり異性愛を司る。神経症や性的倒錯は、これらの過程が性の抑圧によって不完全ならしめられる結果として生じる。飽くことを知らない小児の愛は両親に対する幻滅を避けられない。男児のエディプスコンプレックスが去勢コンプレックスによって滅び行くものであるのに対し、女児のそれはむしろ可能となるものである。両親を対象とするエディプス期以前に、幼児はナルシシズムの状態にあった。ここから自我の問題は生じるのである。2016/08/04
LegionBlaze
1
結構刺激されると思う。2011/02/07
海
0
性欲論だけ読んでも、本当に理論が成り立ってるのかよく分からない。症例研究が面白かった。ただ、何でもかんでも性欲のせいにしすぎじゃないかとは思った。それから、最後の戦争と死に関する文章は状況説明としてかなり正しいと思われ、好きだった。2022/07/18