内容説明
異なる文化を理解する、理解されるとは?神話、伝説、物語、演劇など日欧文学のさまざまなジャンルを自在に横断する比較思想の興味深い視点。誘惑者の神話、放蕩、色好みとみやび、理想の女性、家制度など、性愛文化の日欧比較を日本古典に探る「日本古典に見る性と愛」、未来の運命があらかじめ定められていることを知る運命説話の古代神話や叙事詩との関わり、その後の中世聖者伝説への変容など、宿命、贖罪、解放など現代的テーマをめぐる「ユダとオイディプス」ほか全12章。
目次
『とはずがたり』を読む
日本古典に見る性と愛(“トリスタン”“ドン・ジュアン”神話との比較;『平中物語』『源氏物語』『大和物語』;『好色一代男』と“ドン・ジュアン”)
美妙『いちご姫』の疑問
『奉教人の死』と“モナコパルテノス”
ユダとオイディプス―“運命説話”から“聖者伝説”へ
『舞姫タイス』と『黄金伝説』
カルタゴの興亡と“ソフォニスブ”
『フェードル』再考―セネカ『パエドラ』のモティーフをめぐって
“太陽劇団”(演劇的創造への道;フランス現代演劇における位置とその意義)
著者等紹介
山中知子[ヤマナカトモコ]
大阪大学文学部仏文学科修士課程修了、博士(文学)。17世紀フランス劇文学、比較文学専攻。追手門学院大学文学部名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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