出版社内容情報
無名時代の画家・藤田が最初の妻とみへ宛てた179通の書簡を完全復刻!若き藤田が欧州より最初の妻とみへ宛てた手紙の束が、半世紀以上たってとみの遺品から見つかった。そこには妻への細やかな愛情、芸術への熱い想いと野心、滞在中の多岐にわたる交友関係、思想、滞在中に勃発した第一次世界大戦の様子などが綴られていた。藤田研究者、美術史家、歴史研究者にとっても貴重な一級資料となる書簡を完全復刻。長らく謎に包まれていた渡仏直後の藤田の動向を伝える。あわせて専門家の論考、エッセイも付す。
堀江敏幸/村上哲/加藤時男/林洋子/湯原かの子/橋本順光/高橋直子
口絵
刊行にあたって(林洋子)
消された声――鴇田とみ「からの」手紙 堀江敏幸
藤田嗣治ととみ――百年前の書簡が復刻されるまで 加藤時男
とみ宛て書簡 1913-1914
解題 藤田嗣治--渡仏から第一次世界大戦勃発まで 村上 哲
コラム1 鴇田とみと私立女子美術学校(高橋直子)
コラム2 欧州航路の三島丸と与謝野晶子との交錯(橋本順光)
コラム3 パリの藤村と藤田(湯原かの子)
コラム4 福原信三との出会い(林洋子)
藤田嗣治[フジタツグハル]
藤田 嗣治(ふじた・つぐはる) 1886-1968。陸軍軍医藤田嗣章の次男として生まれる。東京美術学校卒業。画家。
林洋子[ハヤシヨウコ]
林 洋子(はやし・ようこ) 1965年京都生まれ。東京大学大学院、パリ第一大学博士課程修了。東京都現代美術館学芸員、京都造形大学教授を経て、現在文化庁芸術文化調査官。博士(パリ第一大学)、専門は美術史、美術評論。著書に『藤田嗣治 作品をひらく』(名古屋大学出版会、サントリー学芸賞受賞)など多数。
加藤時男[カトウトキオ]
加藤 時男(かとう・ときお) 元・千葉県文書館古文書調査員。
目次
消された声―鴇田とみ「からの」手紙
藤田嗣治ととみ―百年前の書簡が復刻されるまで
とみ宛て書簡 一九一三‐一九一四年(資料番号1‐59)
解題 藤田嗣治―渡仏から第一次世界大戦勃発まで
著者等紹介
林洋子[ハヤシヨウコ]
美術史家、文化庁芸術文化調査官
加藤時男[カトウトキオ]
千葉県文書館古文書調査員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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