内容説明
新自由主義的グローバリゼーションに抗する、ガタリ、ネグリ、ブルデュー、スーザン・ジョージを結び、現代思想のポテンシャルを社会の最前線へ着地させるスリリングな試み。“分裂”と“共生”のラディカルな接続。資本への統合を強制し加速するグローバル化のなかで、「生」の風景を変えることはいかにして可能か?世界運動の新地平。ポストモダンからオルター・グローバリゼーションへ。21世紀の思想と運動の新たな結合。
目次
1 統合と分裂(精神・環境・社会―ガタリの「三つのエコロジー」とは何か)
2 制度と主観性(横断性から主観性へ―ガタリの「制度論」に寄せて;制度と欲望のカオスモーズ―ドゥルーズ/ガタリの起源の起源)
3 ポストモダンとグローバリゼーション(分子、リゾーム、マルチチュード―ガタリとネグリの交差路(平井玄との対談)
構成的権力と多数性―ガタリ/ネグリのポテンシャル(小倉利丸との対談)
“帝国”という陥穽―アメリカ・国民国家・第三世界(栗原幸夫・矢部史郎との鼎談))
4 “帝国”と運動(リゾーム型の反グローバリゼーション運動;“帝国”への反攻―世界化する運動)
5 分裂と共生(“分裂共生”としてのオルター・グローバリゼーションに向けて)
著者等紹介
杉村昌昭[スギムラマサアキ]
1945年、静岡県生れ。名古屋大学大学院仏文科修士課程修了。龍谷大学経営学部教授
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感想・レビュー
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rymuka
2
分裂と統合の対比から理想の社会像に迫った深淵な本! ~http://rymuka.blog136.fc2.com/blog-entry-38.html2014/08/13
rymuka
1
分裂と統合の対比から理想の社会像に迫った深淵な本! ~http://rymuka.blog136.fc2.com/blog-entry-38.html2012/01/04
amanon
0
このテキストが刊行されたのは三年前。この時点で格差社会が予測されていた。いやそれどころかそれよりずっと以前にガタリが今日のグローバリズムを予測していたということを知って、少々愕然とさせられた。このテキストの出版から三年…ますます社会は劣悪化を極めつつあるが、その一方でこのテキストで提唱されている新たな市民運動が広がりつつあるという現状を顧みると、あまり悲観的にならず、もう少し希望を抱いてもいいかなという気にさせられる。2008/10/03