人新世の哲学―思弁的実在論以後の「人間の条件」

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人新世の哲学―思弁的実在論以後の「人間の条件」

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  • サイズ B6判/ページ数 260p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784409030967
  • NDC分類 114
  • Cコード C1010

内容説明

人類の活動による大規模な環境変動は地球の姿を変え、地質学的に新たな時代「人新世」に突入している、ノーベル賞受賞科学者クルッツェンはそう述べた。21世紀に入り分野を越えたホットワードとなったこの概念は、あらゆる側面で現実の捉え方に再考を迫っている。近年思想界において登場した思弁的実在論や新たな唯物論といった議論も、こうした潮流と無関係ではない。本書では、人新世という概念や現代の思想潮流を全面的に引き受け、思想の更新を図るとともに、新時代における「人間の条件」をアーレントを手掛かりに探ってゆく。人間と自然が溶け合う世界の本質に迫る、著者の飛翔作。

目次

序論
第1章 人間と自然とのかかわり
第2章 人間世界の離脱
第3章 人間世界の脆さ
第4章 エコロジカルな世界
第5章 事物の世界と詩的言語の可能性
第6章 エコロジカルな共存
終章

著者等紹介

篠原雅武[シノハラマサタケ]
1975年、横浜市生まれ。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。博士(人間・環境学)。京都大学人文科学研究所研究員。社会哲学、都市と空間の思想史。著書の他、編著、訳書がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みゆき

9
環境問題を前にして、社会的な存在であるとともに自然の中を生きる生物でもある人間の二重性が不安定なものになっている。そのとき「人間の条件」が問い直される。しかし「アレントから議論を始めたが、アレント論ではない」と終章にもあるが、アレントの主眼は別のところにあるので彼女にエコロジー論を求めるのは酷であろう。2020/07/17

さっとん

6
「環境破壊はダメだ」という紋切口調の警句を子供の頃から聞かされ続けた人間としては、環境と人間の関係におけるかなり進んだ議論をこの本で見ることができる。人間の行為自体が環境へ影響を与え、それがまたフィードバックされる形で人間に影響を与える。自然とは循環し続けるものであり、その一部として存在するはずの人間が、その循環に大きな影響を与える。それ自体がもはや興味深い。誰かが人間は地球におけるガンなのでは?という比喩を用いていたが。正常な循環を乱す者として病気と人間は同様の特性を持っている。2019/01/19

Mealla0v0

5
再読。人間が生きる世界は自然から材料を調達してつくられた人工世界だとアレントは指摘する。篠原は、そのため通常は人間の世界は自然を忘却しているが、災害などによって人は自然を意識せざるを得なくなると注釈する。そして、事物は人間によって形を変えられながらも、人間なしに存在する。この認識から、アレントの以上の制作をめぐる議論をモートンのエコロジー概念に接続する。ここで重要なのは、SRがともすれば人間を排除し過ぎるのに対して、モートン的OOOが「人間が作り出してしまった事物」への思考を要請している点だろう。2018/07/29

Mealla0v0

4
自然/人工と切り分けたとて、その境界は乱される。その裂け目の体験を率直に記述すること。篠原の最近の本は同じテーマを繰り返し、結論が明確化されていない。ある種の研究ノートめいている。だが、そこから読者は何を得るのか? 個人的には、人新世の議論を環境問題にのみ収斂させない方向性(お決まりの気候変動の話題はわずか)は重要だろうと思う。たしかに気候変動は喫緊の課題であるが、たとえば過疎化によって家が森に呑まれていくこと、人里に降りてくる熊、あるいは埋め立て地につくられた神社、こうした体験を記述する方途になるか?2020/11/18

渡邊利道

4
思弁的実在論を提起するメイヤスーの議論に触発され、人間の外側にあるものから想像をめぐらし、アーレントの人間の条件の皮膜性を起点に、ハーマンの対象性や、クルッツェン、チャクラバルティ、モートンなどのエコロジカルな思考の地平に接続し、大災害などで露呈する人間以前の「自然」と、情報工学の向こう側に生起する「自然」のあいだで漂う現在の「人間」の有り様を模索するSF的でかつ切実な現状認識と倫理の本。なかなか面白かった。いろいろ読みたくなる。2018/04/24

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