出版社内容情報
小野篁の子孫である作家が、家の裏にある空井戸を覗くと奥から光が漏れていた。ほのかに漂う甘い匂いに誘われ下りてみると--。
内容説明
還暦の小説家、小野高志が裏庭の空井戸を覗いて見ると、底から甘い匂いが漂ってきた。誘われるように降りてみると、何かが迫ってくる。それは淫魔大王の使い喜世美だった。喜世美に迫られ、関係を持った高志は、淫魔大王から特別な力を与えられ、悪者を地獄へ落とす使命を受けることに。そのうえ突然モテるようになり、次々と現れる美女たちと―。
著者等紹介
睦月影郎[ムツキカゲロウ]
1956年生まれ、神奈川県横須賀出身。県立三崎高校卒業後、多くの職を経て、23歳で官能作家デビュー。人気作家として不動の地位を築き、著書が600冊を突破。官能小説界を牽引するひとり。「ならやたかし」名義で漫画とイラストも描く。2014年、『深夜病棟』で「21世紀最強の官能小説大賞」大賞を受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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keiトモニ
40
平安前期の漢詩人・歌人にて小野妹子の子孫で小野篁が登場する。しかしこの人知らんな。平安時代の官僚で昼間は朝廷に仕えて事務を執り夜は井戸からあの世へ行って閻魔大王の補佐していたという伝説があると、本書第一章「黄泉醜女(ヨモツシコメ)の淫惑」にある。黄泉戸喫(ヨモツヘグイ)やら黄泉比良坂(ヨモツヒラサカ)など日本神話の勉強をさせられるとは思わなかった。黄泉比良坂は生者の住む現世と死者の住む黄泉との境目にあるとされる坂で、どうやら私もそこにいるらしい。やがて黄泉の国で雷神が仰向けにされた私に群がり貪られるのか。2021/12/15