出版社内容情報
拳銃を持った男は八ヶ岳山中に逃げ込み、登山用具をそろえろと要求してきた犯人と捜査員の死闘を描く長編山岳ミステリー
内容説明
長野県豊科署管内で殺人事件が発生した。道原伝吉は東京で自首をした犯人の浅井弘行を列車で護送中、拳銃を持って女性を人質にとる男と乗り合わせてしまう。乗客を危険に晒せない道原は、要求のままに浅井と人質を含めた三人を解放すると、男たちは八ヶ岳へと逃走。追跡が難航するなか、拳銃の男から捜査陣にある電話がかかってきて…!?
著者等紹介
梓林太郎[アズサリンタロウ]
1933年長野県生まれ。80年『九月の渓で』で小説宝石エンタテインメント小説大賞を受賞しデビュー。山岳推理小説の第一人者として活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yamakujira
6
殺人犯を移送中の特急列車で、拳銃を持って女性を人質にした男と乗り合わせてしまった道原と伏見両刑事は、拳銃男の要求で殺人犯を引き渡してしまう。小淵沢駅前で民宿の送迎車を強奪して逃走、そして登山装備を要求する犯人に警察は翻弄される。犯人の動機が気まぐれな報復だから、計画はずさんだし悲壮感も乏しくて、だからこそ警察をからかうような愉快犯的行動を楽しむ心情が理解できておもしろい。山の空気に触れたくて、つい読んでしまうシリーズなのに、ラストの蝶ケ岳のほかは山麓を徘徊するばかりだったのが期待外れだな。 (★★★☆☆)2020/08/22