出版社内容情報
生まれくる命のため奔走する「むかえびと(助産師)」の姿を現役看護師作家が活写するお仕事エンタメ!(『闇から届く命』改題)
内容説明
有田美歩はキャリア六年目の助産師。勤務先の産婦人科病院は経営方針にやや問題を抱えているが、この仕事に誇りを持つ先輩や同僚、腕利き医師の存在に支えられ、命に寄り添う仕事に臨んでいる。飛び込み出産、新生児連れ去り、産婦の緊急搬送…一分一秒を争う命の現場で働く「むかえびと」の姿をリアルに描く渾身の医療小説。
著者等紹介
藤岡陽子[フジオカヨウコ]
1971年京都府生まれ。同志社大学文学部卒業。報知新聞社を経て、タンザニア・ダルエスサラーム大学に留学。帰国後、慈恵看護専門学校を卒業し、看護師に。同時に小説を書き始め、2006年「結い言」が宮本輝氏選考の北日本文学賞の選奨を受ける。09年、看護学校を舞台にした青春小説『いつまでも白い羽根』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mariya926
130
てっきりむかえびとたちが母親に恵まれない子の命を救い、力を合わせて育てていく話しかな?と想像していましたが、絶対にお産を任せたくない院長や怒鳴り散らしたりいなくなってしまう師長、絶対に勤務したくないストレスフルなローズ産婦人科。私って変に責任感強いし真面目だからこの職場は本当にストレスで無理になるって思いながら読みました。しかも病院内で佐野先生の噂まで飛び交い、俊高も見張っているかのように現れるし誰を信じたらいいの?状態です。でも素敵な言葉が次から次へと出てきて、もうメモ出来ないくらいたくさんありました。2019/11/10
ふじさん
101
産科を舞台にした医療小説であると同時に、我が子の命と向き合う母親たちが主役の作品。「むかえびと」とは、助産師をさす言葉だ。有田美歩は、キャリア6年目の助産師。問題を抱えた産婦人科病院で、仕事に誇り持つ先輩や同僚、腕利きの医師な支えられ、命に寄り添う仕事に懸命に取り組んでいる。飛び込み出産、新生児連れ去り、産婦の緊急搬送等、一分一秒を争う命の現場で働くむかえびとの姿がリアルに描かれている渾身の小説。現役の看護師として働く作者の目線はシビアで温かい。ミステリーな要素も織り込まれていて、読む楽しみも尽きない。2022/10/20
ゆみねこ
94
読み始めて「闇から届く命」の改題と気付きましたが、命の誕生の瞬間に携わる助産師さんの物語は面白く、一気に読了。入院した娘に付き添いながらの読書でした。さて、初孫との対面は明日か明後日か? タイトルは文庫版の方がずっと良いですね♪2018/04/23
じいじ
90
今、年々出生率が低下して、少子化が今後の問題点と叫ばれています。孫たちの時代になる20年後が、とても気になるところです。人間社会において、「お産」は女性が担う一大仕事だと思います。ここでは、胎児と妊婦の両方の命をかけた「お産」について、男の身でも解り易く書かれています。ここ産婦人科病院で働くの人たちの妊婦へのやさしい眼差しが見てとれました。この著者は、現役の看護師だと読後に知り、納得がいきました。とても心の和む温かい物語です。2022/12/15
ユザキ部長
85
くよくよしたってしょうがない。生まれてきたんだもん。懸命に行き続ける事だけ考えれば良い。辛いこと悲しいこと嬉しい事。誰にだってあるんだから。だから生まれる前から不幸になるなんて決めつけないで。むかえびとは真剣に命を救おうとしてる。2019/09/11