出版社内容情報
うなばら銀行支店長、再び走る――! ヒット作『銀行支店長、走る』、待望の続編登場。手に汗握る経済ミステリー&サスペンス。
内容説明
うなばら銀行T支店を利用し、詐欺グループが動き出した。貞務定男支店長の作戦で、行員の柏木雪乃らが詐欺グループを尾行することに。だが雪乃は敵に軟禁されてしまう。一方、久木原頭取の許へは、第二次大戦中の蒋介石由来と称する、秘密資金話が舞い込む。うなばら銀行の現場とトップ双方に闇勢力が手を伸ばし、真っ向対決の時が訪れた。
著者等紹介
江上剛[エガミゴウ]
1954年兵庫県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。旧第一勧銀時代、総会屋事件収拾に尽力。2002年に『非情銀行』でデビュー。03年、みずほ銀行退職後執筆に専念。評論家、コメンテーターとしても活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Tsuyoshi
68
図書館本。頭取の母親に仕掛けられたオレオレ詐欺を水際で防いだ銀行だったが、同じ詐欺グループにM資金ならぬ蒋介石の隠し財産S資金をネタにした詐欺話を持ちかけられて騙されかける展開。欲深さや切羽つまった状況、スケールが大きすぎる話だと騙されるはずがないと思われる人ほどコロッと騙されてしまうのかもしれないなと思った。2018/04/12
ともくん
59
前作『銀行支店長、走る』という作品があるのを知らずに読み始めた。 前作を読んだことがなくても問題は無い。 だが、度々、前作のことが出てくるので多少、混乱する。 ジャンル的には、経済小説なのだろうが、キャラクター設定など、何となくライトノベルっぽさが否めない。2019/06/14
達ちゃん
36
いろんな人が複雑に絡み合ってますが、最後は何とか解決。気軽に読めて面白かったです。2020/02/27
Walhalla
33
『銀行支店長、走る』の続編です。今回はオレオレ詐欺から始まり、M資金ならぬS資金まで登場し、詐欺事件の話題が多かったです。そこに巨額の不良債権飛ばしが絡んで、大きなお金が動きます。経済小説としての見どころは少なめでしたが、スピード感がある展開で一気に読めますね。2022/07/12
Yunemo
24
「走る」から「追う」へ、現実問題を捉えながらも、痛快さと軽さのノリで楽しめました。企業のトップって、表の顔だけで生きていけるものじゃないのかな。こんな方々が本当にいるのなら、従業員は救われませんね。でもM資金ではほんとに騙されたトップもいたようで。老人たちが、何の目的もなく貯め込んでいる金を若者に移転して有効活用する、言葉悪いですが、この視点って斬新。若者が生き生きと働く会社、従業員を守り抜く会社、今、無いですもの。詐欺会社ではあるけれど、この視点が痛快さに結びつき、後は深く考えずにこの作品に酔いしれて。2017/04/16