内容説明
舞台は江戸時代の信濃国。修業先から逃げ出した若僧・秀全は、ひょんなことから行商人・平助、若い山女・まつと行動を共にする。読心術の心得がある秀全、藩の密命を受けて不正を探る平助、蛇や野獣を従えるまつ。三人が山中を行くうちに遭遇したのは、山に眠る謎の将軍家献上品をめぐり、跳梁跋扈する人々だった。躍動感溢れる時代活劇エンターテインメント。
著者等紹介
出久根達郎[デクネタツロウ]
1944年茨城県生まれ。73年より古書店「芳雅堂」を営むかたわら文筆活動を始める。92年『本のお口よごしですが』で講談社エッセイ賞を受賞。93年『佃島ふたり書房』で第108回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海猫
39
捻った話の仕掛けは悪くないのだがやり過ぎで太さがない印象が残る。冒頭、主要登場人物が集まるくだりはそれぞれの癖のあるキャラクターを描こうとしているのはわかるが描き方がまどろっこしい。またそれがストーリー上生きているとは言い難く、後からサブキャラが増えすぎですべてにおいて散漫。読ませはするのだがすっきりしない。2014/10/02
あここ
7
あぁぁつらかった。出久根さんってこんな感じやったっけ・・・何だか初めっから話に入り込めず。読心術もたいして役に立ってないし。ってか誰が主役か分からんし。お坊さんが遭遇した騒動かと思ったら隠密の人達がメインっぽくなってくるし。誰がしゃべってるんかも分かりづらい。みんながそれぞれ大騒ぎしてるだけでまとまりがないような。。。さらっと流してしまいました2014/10/08
銀次
7
終始ドタバタ劇。登場人物が多く似たり寄ったりで、一気に読まないと訳がわからなくなる。『おんな飛脚人』や『御書物同心日記』のような安定感ある作品では無い。2014/09/28
laughmix
4
うーん・・・なんかこれでいいの?って気がする。 主人公が誰だったのか、書き始めと書き終わりで気持ちかわっちゃったの?って言う感じ。 どうも、散漫というか散逸というか・・。それぞれのキャラクターがうまく縒り合わずにバラバラのままだったかんじ。2014/10/06
Crystal.B
2
同郷で苦労人ということでどことなくシンパシーを感じる作家さんです。これまでの作風とは違うコメディータッチを目指したのかな?だとしたら、ちょっと消化不良かもしれません。秘宝って結局、何だったの?ただ、ラスト秀全には笑えました。人は、短期間にこれまでの人生で経験のないことが立て続けに起こると終わったあとには「笑うしかない」という心境になります。もちろん、経験者は語る、です!2015/01/12