実業之日本社文庫
夫婦善哉・怖るべき女―無頼派作家の夜

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  • サイズ 文庫判/ページ数 380p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784408551548
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

無頼派作家、酒と文学。2013年に生誕100年を迎え再び脚光をあびるオダサクの代表的小説とエッセイを収録。津村記久子氏解説。

うまいもん食いにいこか――大阪を愛した作家の珠玉の名作。

そこには、人間の本質的なスリルがある――津村記久子(作家)。戦後無頼派の代表的作家・織田作之助の代表作と酒にまつわる小説・エッセイ等を多数収録したオリジナル作品集。デビュー作にしてすでに成熟した筆致が文壇を驚かせた「夫婦善哉」ほか、「アド・バルーン」「競馬」「世相」など大阪の風俗と庶民の喜怒哀楽を活写した小説、死の直前に書かれた「怖るべき女」「可能性の文学」まで、織田文学の真髄に触れる一冊。

【収録作品】
■夫婦善哉
■雪の夜
■姉妹
■電報
■アド・バルーン
■競馬
■世相
■薬局
■中毒
■怖るべき女
■文学的饒舌
●可能性の文学 解説/ 津村記久子
●作品解説 七北数人

内容説明

戦後無頼派の代表的作家・織田作之助の代表作と、酒にまつわる小説・エッセイ等を多数収録したオリジナル作品集。デビュー作にしてすでに成熟した筆致が文壇を驚かせた「夫婦善哉」ほか、「アド・バルーン」「競馬」「世相」など大阪の風俗と庶民の喜怒哀楽を活写した小説や、死の直前に書かれた「怖るべき女」「可能性の文学」まで、織田文学の真髄に触れる一冊。

著者等紹介

織田作之助[オダサクノスケ]
1913(大正2)年大阪市生まれ。36年、旧制三高文科中退。38年、青山光二らと同人誌『海風』を創刊。翌年、同誌に発表した「俗臭」が芥川賞候補になり、続く40年の「夫婦善哉」により新進作家として認められる。結核を患いながらも精力的に執筆活動を続け、戦後、「世相」「競馬」など斬新な短篇を次々発表して流行作家となる。文壇の権威に反逆する文学姿勢が人気を呼び、太宰治、坂口安吾とともに無頼派と称された。読売新聞に連載中だった「土曜夫人」の取材で上京した折、太宰・安吾との座談会に出席したが、まもなく大量に喀血、47(昭和22)年、33歳の若さで急逝した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

45
面白かったです。代表作とお酒にまつわるエッセイや小説がおさめられていました。講談調の語りで大阪の明るさや魅力が凝縮されているような気がします。未完の作品もあり、最後まで描かれていたらどのような物語になっていたかが気になります。2024/01/22

佐島楓

18
「アド・バルーン」に見られるような戦前戦中戦後の大阪の街の様子がとても良かった。ネオンまで目に浮かぶような描写力。初めて読んだ「怖るべき女」の女心もあながち外れてはいまい。女性視点で書かれた作品ももっと読んでみたかったが、この作品も未完に終わっているのが残念だ。2014/02/07

1
3年ぶりくらいに読み返しました。「織田文学ってこんなに良かったっけ!?」と思いました。3年前の自分の感受性の乏しさを怨みます。とにかくリズムがいい。講談のような滑かな語り口調には感服です。何度か本を閉じて悶えました。青春の逆説を買いたい、、、。2019/09/02

でろり~ん

0
良かった。初読作者。太宰治、坂口安吾は随分読んだけれど、オダサクと呼ばれるこの人だけを読んでこなかったのは何故だろうと今更ながら考える。おそらく夫婦善哉というタイトルが孕んでいる時代掛かったイメージだろう。結果、先の二人よりはオダサクのほうがオトナ小説だと感じた。怖るべき女は大作の予感を持っている。オダサク生きて在れば「愛のコリーダ」をどう評価しただろうかと、エロスの悲しさに思いを馳せる。人肌の温もりを感じさせてくれる好感触の作品群でした。無頼とはなにか? 売り込むためのカテゴリーなのか? あるいは露悪?2017/03/07

鷹ぼん

0
昨年は織田作生誕100年ということで、様々な本が刊行されたが、この本ではお馴染みの「夫婦善哉」のほかに表題の一つでもある「怖るべき女」が収録されているということで購入。これはまことにもったいない一作で、ぜひこの後、主人公の京子がどのように「怖るべき女」になってゆくのか読んでみたいと思うも、織田作すでにこの世になく、想像をかき廻らせるしか術はなし。もう一つ「中毒」も未完作であり、ともに織田作の早すぎる死を残念に思うばかり。とは言え、だからこその織田作なのかも…。2014/03/16

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