出版社内容情報
首都を狙う環境テロと美少女失踪。その接点は「太宰」…志垣警部&和久井刑事に前代未聞の難題!“温泉殺人課”事件File25。
≪太宰は戦後日本に絶望して死にました。ぼくは21世紀の日本に絶望して死にます。ただし、悪人どもを道連れに≫
(なに言ってるの!)
声を出さずに、杏奈は叫んだ。
(太宰は死ぬつもりなんてなかったのよ。戦後の日本に絶望していたなんて、それも嘘。もっともらしい後づけの理屈。明人には、私の太宰論を何度も話してあげたじゃない。それを忘れたの?)
心の中で叫びながら、杏奈の目が先を追った。 ――本文より
太宰治と同じ津軽出身の大学生・谷明人は、自然を破壊する全存在を敵と見なし、過激な環境テロ活動に走った。第一の犠牲者は、青森県の黄金崎不老ふ死温泉で発見される。大企業を経営する彼の実父・重則だった。さらに明人は戦慄の首都圏テロを予告。だがその裏で、太宰ファンの美少女が相次いで失踪する。両者を結ぶ驚愕の真相は! 志垣警部は犯人の陰謀(トリック)を見抜けるか?
【著者紹介】
1952年生まれ。一橋大学商学部卒業。ニッポン放送ディレクター、扶桑社編集長を経て、1986年『Kの悲劇』でデビュー。1990年専業作家に。志垣警部&和久井刑事のコンビをはじめ、朝比奈耕作、氷室想介、烏丸ひろみの各推理シリーズ、ホラー作品、さらには英語学習の著書から舞台脚本など、個性的な執筆活動を展開。225冊の著作を遺し、2012年5月14日、急逝。闘病生活を自ら綴ったノンフィクションエッセイ『ヒマラヤの風にのって』(角川書店)が逝去後の7月に、13年2月には未書籍化原稿をまとめたホラーミステリ短編集『13の幻視鏡』(角川ホラー文庫)が刊行された。
内容説明
太宰と同じ津軽出身の大学生・谷明人は自然を破壊する全存在を敵と見なし、過激な環境テロ活動に走った。第一の犠牲者は青森の黄金崎不老ふ死温泉で発見される。大企業を経営する彼の実父・重則だった。さらに明人は、戦慄の首都圏テロを予告。だがその裏で、太宰治ファンの美少女が相次いで失踪。両者を結ぶ驚愕の真相は!志垣警部は犯人の陰謀を見抜けるか?警視庁温泉殺人課File25。
著者等紹介
吉村達也[ヨシムラタツヤ]
1952年生まれ。一橋大学商学部卒業。ニッポン放送ディレクター、扶桑社編集長を経て、1986年『Kの悲劇』でデビュー。1990年専業作家に。推理シリーズ、ホラー作品、さらには英語学習の著書から舞台脚本など、個性的な執筆活動を展開。225冊の著作を遺し、2012年5月14日、急逝(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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Narisawa Takuya