内容説明
高杉晋作は「目黒のさんま」で暗殺された?井伊直弼の大老就任は「長屋の花見」で決まった?公武合体は「道具屋」が実現させた?大政奉還は拒否するはずが「時そば」のおかげで?幕末の一大事変、知らずに関わっていたのは何と、落語でおなじみの熊や八に与太郎、粗忽長屋の面々だった―鯨マジック爆笑必至!時代大逆転ミステリー。
著者等紹介
鯨統一郎[クジラトウイチロウ]
1998年、『邪馬台国はどこですか?』でデビュー。ユーモラスな掛け合いで邪馬台国推論を展開。その後、学説をパロディー化する手法で斯界を仰天させる。覆面作家であったが、2011年、自伝的小説『努力しないで作家になる方法』でデビューまでの労苦を披露した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
180
いっぱい蕎麦の話が、出てくるのかと思いましたが、違いました。時は幕末!落語と歴史を見事に融合させた物語ですね。笑いながら読みました。落語を知らない人、歴史を苦手な人、もちろん落語が好きな人、歴史が好きな人でも、粗忽長屋の天然な連中に笑わずにはいられないでしょう。多少、オチは読めますが、古典落語と幕末の歴史を面白く学べ、『落語+歴史=物語 ∴笑うこと間違いなし!』そんな方程式が成り立つ面白い作品でした。2018/09/08
やも
81
落語×歴史ミステリー、これは面白い!!落語部分はこじつけにも程があるし、ブラックジョークもキレッキレ🤣でもこんなん好き💕そんでそれが大政奉還にも関わってくるってんだからすごいや。幕府のみなさーん!その鵜呑みにしてる情報、粗忽長屋発信ですよー🤣嘘か本当か分からない、けどきっと本当な豆知識がふんだんに出てくるのも楽しい。この話を思いつく鯨さんの知識量とおじさんらしいユーモアてんこ盛り、まいりました😁★42022/11/23
タイ子
70
読友さんのレビューで知った本。面白い!上手い!こんな面白い本を読むことができて幸せ~。落語話をこんな形で(異譚て断ってるところがいいね)仕上げる著者の構成力に敬服。幕末維新の史実を粗忽長屋のおっちょこちょいな連中たちに絡めて有名な落語話にいつの間にかもっていくという。そして、落としにそうきたか!って感じでなぜか安堵するという。だけど一つ、気になる熊さんの行く末・・・。2018/09/13
ポチ
61
大切な読友さん2人からのオススメ本。いや〜、面白い!粗忽長屋の住人が幕末に重要な役割をしていたのか⁈知らなかった!(笑)古典落語と幕末の動乱をうまく絡めた、とても面白い作品。2018/09/18
saga
56
タイトルの面白さに、うっかり買ってしまった。古典落語が好きで、この物語の素材となった噺は何回となく聴いたものだ。それだけに、ただ単に噺をなぞるだけの物語になっては興ざめだと思った……のだが、その心配は杞憂だった。うかうかと幕末の日本の動乱が、異譚という形で古典落語と融合させている。そしてまた、古典落語を演じる現代の噺家によっては、今風のギャグを江戸・明治の話に違和感なくスルっと入れるように、著者も同じことをしており、うっかり読み進めた後でニヤリとさせてくれる。2022/08/09