内容説明
プロ9年目の今季、FA権を取得するスターズの看板選手・沢崎鉄人。大リーグ入りを目指す沢崎は、チームメイトの四番打者・神宮寺と首位打者争いを繰り広げる。沢崎にタイトルを獲らせ移籍交渉を有利に運びたいスポーツエージェント・藍川は、密かに暗躍をはじめるが―数多の欲望が渦巻くペナントレース最終盤の人間ドラマを緊迫の筆致で描く、傑作野球サスペンス。
著者等紹介
堂場瞬一[ドウバシュンイチ]
1963年生まれ。青山学院大学国際政治経済学部卒業。2000年『8年』で第13回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Hideto-S@仮想書店 月舟書房
90
プロ野球を舞台にしたサスペンス。大リーグ入りを目指すスター選手・沢崎はタイトルに無縁だった。移籍交渉を有利に運ぶためにも首位打者を手にしたいが、チームメイトの神宮寺の追い上げで焦りを募らせていた。すると、神宮寺の周囲で次々と不可解な事件が起こる。その背後には沢崎と旧知のスポーツエージェント・藍川の影が……。欲望、打算、プライド、友情。ペナントレース終盤の白熱した野球シーンと虚々実々の人間ドラマが交差して緊迫感を高めている。小道具として作中で登場する80年代のアメリカンロックも良い雰囲気を醸し出している。2015/04/18
達ちゃん
50
途中結構ドロドロ感ありましたが、最後はすっきりとしたラストで良かったです。久しぶりの野球もの堪能しました。2017/07/25
チャーミン
37
「ザ・ウォール」「ラストダンス」遡って、東京スターズ3冊目。FA宣言、大リーグ入りを予定しているスターズの看板選手 沢崎鉄人は、アメリカのスポーツエージェント 藍川に後押しを依頼するが、、。ザ・ウォールの沢崎のイメージとは違っていたが、スターズとイーグルスの優勝争いや、一打席毎に変化する打率成績、ピッチャーとの駆け引き等々、読み応えがあった。仕事はできるけれど裏がありそうな藍川には共感できなかった。スポーツの世界はクリーンであってほしい。沢崎の最後の決断にはびっくりしたけれど沢崎らしいと思った。2020/11/04
Walhalla
33
メジャーリーグ移籍を狙うプロ野球選手とそのエージェント、さらにはライバル選手の関係を描いた作品でした。 エージェント目線で描かれた作品は、私にとって初めてでしたが、プレーの様子と同じぐらい面白かったです。 最後のシーンは、ラルフ・ブライアントの「奇跡の4連発」を思い出しました。 ちなみに、続編ではありませんが、同氏の「20」というタイトルの作品で、神宮寺選手と沢崎選手が登場していて、この作品のその後について触れられていますね。2016/02/22
かいちゃん
32
堂場さんは初読みでした。痺れた、身震いした。次のシーズンの沢崎はどうだったんだろう、きっと黒ヒョウのごとくの野球人であったんだろうな。2017/12/15