内容説明
アヒルバス入社五年の観光バスガイド・高松秀子(通称デコ)はわがままツアー客に振り回されたり、いきなり新人研修の教育係にされたりと悩み多きお仕事の毎日。さらにある日、アヒルバスを揺るがす大事件も起きて…笑いあり、感動ありのバスガイドたちの姿を東京の車窓風景とともに生き生きと描く。文庫のための書き下ろし短編・東京スカイツリー篇(「リアルデコ」)収録。
著者等紹介
山本幸久[ヤマモトユキヒサ]
1966年東京生まれ。中央大学文学部卒業後、会社勤務を経て、編集プロダクション勤務。2003年に『笑う招き猫』で第十六回小説すばる新人賞を受賞し作家デビュー。温かみあふれる軽妙なユーモアに定評がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
射手座の天使あきちゃん
328
「皆さま おはようございま~す♪ それではこれより皆さまを『これはお得!東京名所ぐるり旅』へとご案内してまいります 発射オーライ!」入社5年目のバスガイド・デコちゃんが新人ガイドの教育に悪戦苦闘しながら成長して行くお仕事コメディーです。 さすが山本さん 登場人物のキャラ設定が個性的かつイメージし易く楽しめました。 心と時間に余裕があるときにお楽しみ下さいませ(笑)2015/12/13
おしゃべりメガネ
237
予想以上に面白く、何より読みやすかったです。バスガイドさんの新人教育を軸にした悪戦苦闘をハートウォーミングにえがいた心温まる作品でした。登場人物の誰もがとてもいいキャラをしており、主人公「デコ」はもちろん、相棒?の「亜紀」ちゃんや大先輩の「鋼鉄母さん」とその息子「カオル」君、後輩の5人組など、キャラがそれそれ格段&格別に際立っていて、物語ももちろん面白いのですが、キャラを追っていくだけでも十分に読み応えがありました。主人公「デコ」がちょいちょいつぶやく一言一言がニンマリさせてくれます。「ピノの神様」最高!2014/02/22
takaC
169
実業之日本社文庫初買い本として発売日に買ったのを長く積んであってようやく読んだ。「鋼鉄母さん」は「こうてつかあさん」でいいのかな?鋼鉄ジーグとは違って言いづらい。あと単行本の時から気になっていたけど14章の自転車屋さんのセリフ「時間もかかるし、お金もかかるは」の最後は「わ」じゃないのかな?2012/07/20
🅼🆈½ ユニス™
162
先が気になるストーリーではないけどゆっくりと気楽に読める一冊ではあった。「めちゃくちゃ笑える場面なのに、ボロ泣き!!してしまった」 と帯にアピールしてたが、泣ける場面ってどこ?🧐 ありふれたような日常でありながら、その1日1日の積み重ねの中で人の心が少しずつ変化していく様は悪くない。せんべいとお茶が似合いそうなテレビドラマのような1冊。2018/11/24
kishikan
153
どういったら良いんだろう。バスガイドという職業は、現代じゃ人気もなく、女の子からは敬遠気味の仕事と聞くけど、だから反対にこの小説に登場する秀子(デコ)さんや新人のクウちゃんがとても活き活きとして見えるんだなぁ。会社も下町で、スマートじゃないけど先輩達や同僚も、運転手さんも皆人間味にあふれている。帯の言葉のように、笑い(ペーソス)と感動で、どう表現したら良いかわからないスッキリとした後味の残るエンタテイメントだよ。文庫版にはスカイツリーの話も加わるから、お得感もあるよ!2011/02/19