出版社内容情報
誰かを救う、殺しであれ――
最強で最高の“殺し屋ミステリ"誕生! !
2019年、表参道。咲子の前に優雅な身のこなしの美青年が現れた。「僕は殺し屋です。11年前にあなたのご両親と妹を死なせた犯人の殺害を承りました」――驚く咲子に、久遠(くどう)と名乗るその男は、自分たちが“家業"として受け継いできたルールを語りはじめた。
1、依頼人には必ず会うこと
2、できるだけ苦しませずに殺すこと
3、相手が絶命するまでその目を覗き続けること
そして……
5つの時代をつなぐ、5組の優しい殺し屋たちが見守った殺意と命の物語。
圧倒的なスケールと、あざやかな筆致があなたの感情を揺さぶる、
まったく新しいミステリ!
装画/Re
内容説明
殺し屋たちが受け継ぐルール―依頼人には必ず会うこと。できるだけ苦しませずに殺すこと。相手が絶命するまでその目を覗き続けること。そして…5つの時代をつなぐ、5組の殺し屋たち。優しい殺し屋たちが時を超えて見守った、殺意と命の物語。
著者等紹介
日野草[ヒノソウ]
1977年東京都生まれ。2011年『ワナビー』で第二回野性時代フロンティア文学賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まこみん
74
戦後から代々引き継がれる殺し屋、久遠と朔。現代から時代を遡り、ラストは未来編。物語は殺伐とした殺しの場面ではなく、彼らと依頼人とターゲットとの心情溢れたどこか穏やかで哀しい雰囲気。「この世は理不尽と悔しさと涙でできている。でもその隙間に宝石が嵌まっている。幸せという宝石だ。久遠はその宝石を磨く」第4話と約80年後の第5話の繋がりが嬉しい。2021/04/24
momi
45
「誰かを救う殺しであれ…」そう普通の殺し屋ではない優しい殺し屋「クドウ」その世界で名を轟かせている彼は…本当に殺し屋だったのかな?と…。この世の誰よりも命と向き合ってきた者たちだと思います!!殺し屋の願いを知り、名に込められた思いを知り、優しさと愛を知り…繋いできた思いを知り…受け継いで…数えきれないほどの罪を背負ってきた者たちの強い思いに心を動かされました!!この世には「もしも…」の世界はどこにもない…。だから…ありふれた毎日を…ただ穏やかに生きる幸せを噛みしめたいと思います!! 2020/11/06
ゆきちん
40
伝説の殺し屋、久遠(くどう)継がれていくこの名を持つ者5人の話。それぞれの時代のお話ね。くどうは、殺しに5つのルールを持ち、当人、望と、弟子または弟の朔で殺しを実行する。 ①依頼人には必ず会うこと②苦しませずに殺す事③絶命するまで目を覗き続けること➃誰かを救う殺しであること…5つめはヒミツ スゴイね、雰囲気があって良かったよ。ちょっぴりミステリーになってる。罪を背負って生きる孤独な者たちの話。読んでみませんか?2020/12/05
rosetta
29
★★★✮☆五つの短編集。久遠(くどう)と名乗る代々伝わる殺し屋の一族。血縁とは限らず師弟関係からも流れは続いていく。誰かの幸せの為でなくては殺さないと言うルールに則り必ずしも依頼の通りに殺すとは限らない、ちょっと変わった殺し屋。そんな設定だから殺し屋の話なのに殺伐とはしないでどこかハートウォーミング。2019年から1991、65、45年と一族の歴史を初代まで遡り、最後は2040年未来の話で終わる。悲しさと優しさを纏った美貌の一族。彼等の咥える甘い香りの煙草の匂い。2020/12/09
あじ
27
殺し屋たちの一世紀を脈々と綴る系譜小説。久遠(役)と朔(役)がいて五つ縛りの掟があって──。それぞれの時代にワープする度、小出しにされる彼らの関係性を掬い上げた。夜霧のように輪郭のない雰囲気が好き。★3.2/52020/12/08