恋糸ほぐし―花簪職人四季覚

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 286p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784408536965
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

二十五歳の花簪職人・忠吉は、親代わりの杉修(さんしゅう)和尚、幼馴染みの住職・以風(いふう)、少女さきと麻布の大中寺で暮らしている。辛い体験に心を塞がれているらしく、さきは耳が聞こえず、言葉を発しない。和尚たちの食事作りと、寺を訪れる人々の悩み相談を担う忠吉は、さきが薬草の匂いに怯えることに気づく。片想いに悩む男に贈った小菊の花簪が「恋が叶う」と評判になり、殺到する注文をこなしながら、さきの心を開く方法を思案する忠吉だったが…。名手が贈る、珠玉の人情小説集。

著者等紹介

田牧大和[タマキヤマト]
1966年東京都生まれ。明星大学人文学部英語英文学科卒業。市場調査会社に勤務の傍ら、ウェブ上で時代小説を発表。2007年「色には出でじ 風に牽牛」(『花合せ濱次お役者双六』に改題)で第2回小説現代長編新人賞を受賞し、作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆみねこ

78
女ごころにはめっぽう疎い花簪職人の忠吉。幼なじみの大吉とのかけあいが面白かったです。瑠璃という鳥は、オオルリかな?2016/11/28

はる

71
優しく温かな物語。素朴だけれど美味しそうな料理もたっぷり。ああ、やっぱり田牧さん好きだなあ。登場人物もみんな愛おしい。落ち着いた雰囲気の装画も好み。面白かった!続編希望!2017/01/07

ぶんこ

68
優しすぎるのがたまに傷の花簪職人忠吉。奉公先から追い出され、幼い頃にお世話になったお寺に戻る。そこでの懐の広い和尚と幼馴染の以風住職(大吉)、聞こえず話せずの幼い少女さき。さきのそばを離れない瑠璃。登場するキャラがいいですね。ただ、さきが心に負った傷の事を考えると、おりょうさんや菊地屋さんの両親のとった解決策には首を傾げたくなりました。乱暴者のように見える大吉、優しいけれどしっかりできない忠吉の二人を大きく包み込んでくれる和尚が素敵です。藤結びでは、花簪を作る職人の心意気と、おもんさんの夫恋しさに涙。2017/02/20

アン

67
花簪職人の忠吉が悩める人の心の結び目をほぐしていく話なのですが、忠吉が頼りない(笑)優しいけど、どこか抜けていてお人好し、良い意味で普通な忠吉なので、彼の幼馴染みの住職・以風と親代わりの和尚・杉修が助言と手助けをして解決している感じ。忠吉と以風の幼馴染みゆえの口喧嘩(じゃれ合い)も楽しい。それを見守る和尚の穏やかさも素敵。寺に保護されている耳が聞こえず口も利かない少女のさきと瑠璃のそらが可愛かった。皆さきが可愛くて仕方ない様子にほっこり。さきの身に起こった事を解いていくストーリーもあり楽しめました。2017/02/05

万葉語り

55
長屋を追い出された花簪職人が育った寺に間借りをし、寺男の仕事をしながら簪を創る。瑠璃色の鳥、藤、小菊など愛らしいモチーフには悩める女性の物語がついている。優しい忠吉と厳しい以風に悩みを聴いてもらえるこんなお寺があったら人生相談に行きたくなってしまう。迷子のさきも最後で救われてよかった。2017-132017/01/23

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/11238956
  • ご注意事項