酒田さ行ぐさげ―日本橋人情横丁

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  • サイズ B6判/ページ数 253p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784408536019
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

日本橋の廻船問屋の番頭・栄助の前に現れたのは、以前同じ店で働いていた愚図でのろまの権助だった。権助が庄内酒田の出店の主に昇格したと聞いて驚きと同時に嫉妬の情が湧きあがり…名手が日本橋に生きる人びとの悲喜交々を描く傑作短篇集。

著者等紹介

宇江佐真理[ウエザマリ]
1949年、函館市生まれ。函館大谷短期大学卒業。95年に「幻の声」でオール讀物新人賞を受賞。2000年に『深川恋物語』で吉川英治文学新人賞を受賞。01年に『余寒の雪』で中山義秀文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Shinji Hyodo

86
タイトルから想像して、も少しコミカルな内容かと思いきや、意外に深い六編の人情短編集。十手捕縄の大立ち回りがあるわけでなく、江戸の時代の商売や市井の人々の暮らしや人の情を大袈裟じゃなく、今の時代に通じるごとくに描いてホッとする。ホッとするのは安心するからじゃなくて、百数十年前の時代から現在まで続いているかのような人間の生な感情に触れた気がするから…。そんな人々の姿をさらりと、あるいはくどい程に知らせてくれる宇江佐さんが描く「人」の行いが身につまされるのか?好きなのか⁇(^^;;2016/04/28

ぶんこ

67
実家近辺が舞台だったので、親近感の湧く短編集でした。 最後の酒田というか山形県には一度も行った事がないのが残念です。市井に暮らす人々が主人公で、切ない話もありましたが、読後感は良いです。武家から商人に嫁いだ美音さんの優しさ、賢さに憧れました。私もこうなりたい・・と言いたいところですが、すでに隠居世代に突入している身には無理と分かっています。隣の聖人の虎之助さんもいい味出してました。そして虎之助さんに知恵を借りた惣兵衛さんも、虎之助さんが困っていた時に黙って手助けしていた ような優しい人。 いい人出現率高し2015/11/17

きりこ

67
日本橋を舞台にした短編人情小説6作品。宇江佐作品は実に3,4年ぶり。 「浜町河岸夕景」「「花屋の柳」など滅法界もなく幸せなラストも多く安心して読めました。「隣りの聖人」「松葉緑」など市井の人々が助け合う姿が温かく好きな作品。「酒田さ行ぐさげ」は現代にも通じるものがある、ほろ苦い話でした。2015/02/21

ドナルド@灯れ松明の火

38
やっぱり宇江佐さんの町人物短編集はいいな。タイトル作「酒田さ行ぐさげ」のみつらい結末だが、他5編はほのぼのしたり温かい気持ちになったりする佳品ばかりだ。なかでも「松葉緑」は秀作。いい年を重ねていきたいと思わせてくれる。2012/06/23

keiトモニ

36
表題作は現代を生き写し。“権助の奴、今度酒田の店の主になるそうだ…世の中わからないものですね。昔は仕事ができずお前さんが色々手を貸して…”☜今も同じことをサラリーマンが言ってます。アイツが課長だ部長だとぉ…!“権助の女房の実家はそんなに大きいのかい!”☚これも同じ。女房のコネは今も大きく強いね~。ところで北町奉行所同心戸田勝次郎女房とせ殿“真岡木綿反物五反、鈴木越後の羊羹詰め合わせ佃煮セット”並びに父上の勝右衛門殿“酒一斗樽”さぞかし残念でござろう。お気持ち察しますぞ!堅物を持つとこうなるからつまらん…。2016/07/26

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