内容説明
私の胸に、生まれて初めて芽生えた殺意という感情。生きることに不器用な女たちを変えた6つの出来事―日本推理作家協会賞候補となった表題作を含む、戦慄の傑作短篇集。
著者等紹介
春口裕子[ハルグチユウコ]
1970年神奈川県生まれ。慶応大学文学部卒業。損保会社勤務の後、『火群の館』で第二回ホラーサスペンス大賞特別賞を受賞し、デビュー。文芸各誌、アンソロジーで短編を発表するほか、エッセイストとしても活躍中。「ホームシックシアター」が第60回日本推理作家協会賞(短編部門)の最終候補作となり注目される(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみねこ
71
嫌な女が登場する6つの短編。最後の「おさななじみ」だけ、読み心地が違って良かったです。タイトルになっている「ホームシックシアター」、主人公のあまりの身勝手さに絶句。春口さんもイヤミス作家というジャンルになるのかしら。2016/09/30
Satomi
58
悪意に満ち満ちた女たちが主人公の短編6話。女たちのドロドロ、見て見ぬ振りをするいやらしさ、善意を装った意地汚さ。普通はしない、出来ない、言わないような事をあたかもそれが常識のように振る舞う。微妙な心理状態がとてもうまい。それ、違うよと言い出しにくい程度の毒の量。このさじ加減、絶妙。2017/10/17
やこ´•ᴥ•`
48
主に女性心理を描いた短編集6編。1編目からガツンとやられたー!(笑)不妊治療のお話だったのだけど、まさに治療あるあるでした。これは、春口さん経験者かしら?と思わせる心理描写。他の5編もなかなかに女性の嫌な部分が表されていて、そして余韻の残るお話(嫌な終わり方とか)もあって、だいぶ春口さんファンになりました^^2017/09/17
ミーコ
38
春口さん 7冊め。今回もイヤミスで面白怖かったです。「小指の代償」は既読作品でした。「おさななじみ」が1番良かったです。1番 狂気じみてたのが「ホームシックシアター」「セルフィッシュ」は腹立たし女のお話でした。最後の締めくくりが おさななじみ で後味は悪くなかったです。女の怖さが滲み出た短編集でした。2019/01/15
リッツ
27
短編集。ほとんどがイヤ~な味わい。ぞっとしたり、モヤモヤしたり(自分だったら煮えくり返りそう!)でも最後の話でちょっとほっとして懐かしい人に会いたくなった。2016/08/06