内容説明
十和田湖畔で、東央大学院生・田中春菜の死体が発見された。美貌の彼女は、以前、主任教授の岸佳彦からセクハラ被害を受けた過去があった。捜査陣は、辞任した岸をはじめ彼女の所属していた研究室の関係者を調べるが、いずれも決め手に欠けた。困惑する捜査の過程で岸が、“湖の畔で乙女が二人、恋しい男の面影を求めて悲しく歌う”という、十和田湖畔の乙女像を想起させるメッセージを関係者に送る。殺人事件に加えて新たに発生した謎に、壮の推理力が発揮される―。
著者等紹介
深谷忠記[フカヤタダキ]
1982年『ハーメルンの笛を聴け』で江戸川乱歩賞候補。85年『殺人ウイルスを追え』でサントリーミステリー大賞佳作。人気の壮・美緒シリーズ『安曇野・箱根殺人ライン』『佐渡・密室島の殺人』などの他、人間心理の深奥に迫った社会派推理『目撃』『Pの迷宮』など幅広い作風で高く評価されている
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