内容説明
謎のカギを握るのは一枚のメモと高層マンション!?奈々川駅前の高層マンション“グレースタワー”最上階の部屋が暴力団の事務所になっている―。“東楽観寺前交番”に寄せられた通報を受け、赴任三年目の夏を迎えた宇田巡は捜査に向かう。一方、巡の恋人で新人マンガ家の楢島あおいは、年配の女性が不審な男に封筒を渡す場面を目撃してしまう。オレオレ詐欺事件と判断したあおいは、伝説の掏摸の祖母から受け継いだ技を使って、男の胸元から1枚のメモを掏り取る。そんな折、あおいの父・明彦は、長年行方不明だった大学時代の同級生、脇田広巳を町で見かけて…。町の仲間たちが凄ワザで謎に挑む人気ミステリー!
著者等紹介
小路幸也[ショウジユキヤ]
1961年北海道生まれ。広告制作会社を経て、執筆活動へ。2002年『空を見上げる古い歌を口ずさむ』で第29回メフィスト賞を受賞しデビュー。下町で古書店を営む大家族を描いた「東京バンドワゴン」シリーズが人気を集めている。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
218
小路 幸也は、「東京バンドワゴン」シリーズ中心に読んでいる作家です。マイ・ディア・ポリスマンシリーズは、2作目です。旬の話題を取り込んでいますが、今回もほのぼのとした内容です。愛の棲み処を確保して、同棲まで進みました。https://www.coffret-web.jp/mydearpolicemen-3/1/2019/12/24
初美マリン
130
青春グラフィティ、前作を更に能力をアップして進化している。こんな世の中から現実逃避のように楽しいものばかり今は読んでいる。2020/07/29
ゆみねこ
84
前作から間を空けてしまって、読み始めはやや苦戦。でもだんだん小路ワールドに引き込まれて読了。町の問題をチームワークで解決に。犯罪絡みだけど大きく傷つく人もいないので安心して読める。2023/02/15
蒼
80
読みやすい文章と登場人物達の善人ぶりに、ほっこりするとかみんないいように収まって安心するとかの感想をだきがちだが、なんのなんの結構かなりな毒を含んだ物語だ。派出所に筋違いな苦情をぶつける住民、市役所に我儘な注文をつける市民、政治家の隠れた汚職、外国人労働者を搾取する企業等々、作者の憤懣やるかたない思いがソフトな言葉に包まれながらもあちこちに散りばめられていて、小路さんマジで怒ってると思った。だからこそのみんな上手く収まるところに収まってのエンディングなのだろうなと。ドローンを駆使する若者がナイスだな。2019/10/26
けんとまん1007
76
春から季節が夏に変わり、その間の変化も感じられる。それぞれが、少し出来過ぎかな・・・というキャラクターなのだが、まあ、それを踏まえて読むシリーズ。淡々と進むものがたりかな。小路さんの本は、人を信じたくなりますね。2021/05/10