雨に消えた向日葵

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雨に消えた向日葵

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  • サイズ B6判/ページ数 348p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784344035096
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

埼玉県坂戸市で小学五年の石岡葵が失踪した。最後に目撃されたのは豪雨の中をひとりで歩く姿。現場には傘一本しか残されていなかった。誘拐か、家出か、事故か。葵が一か月前に同じ場所で男につきまとわれたという姉の供述を受け、県警捜査一課の奈良健市も坂戸市に急行した。二転三転する証言、電車内で発見された葵の私物、少女に目を付けていたという中学生グループ…。情報が錯綜し、家族が激しく焦燥に駆られるなか、執念の捜査で真相に迫っていく。虚偽情報、詐欺、誹謗中傷、いじめ、模倣…。露わになる人間の本性。

著者等紹介

吉川英梨[ヨシカワエリ]
1977年、埼玉県生まれ。「私の結婚に関する予言38」で第3回日本ラブストーリー大賞エンタテインメント特別賞を受賞し、2008年に作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

utinopoti27

158
土砂降りの雨の中、下校途中に忽然と姿を消した女児。奈良刑事をはじめとした埼玉県警による懸命の捜査が繰り広げられる。いったい誰が何のために、そして娘は無事なのか・・。本作を犯人捜しのミステリと思ってはいけない。なぜなら思わせぶりな伏線はほぼ回収されず、加害者の内面にすら踏み込むこともないからだ。また、そこには派手な立ち回りも、意外などんでん返しもなく、あるのは徹底したリアル。事件解決のためなら、地べたに這いつくばり、泥水をすすることも辞さない奈良の凄まじいまでの執念が読み手の胸を抉る。作者渾身の力作だ。2020/04/07

ナイスネイチャ

143
図書館本。女子小学生誘拐事件を埼玉県舞台に繰り広げられる。結構細かな捜査内容で現実もこんな緻密で地道な作業とも言うべき捜査活動なのかなと。家族や周りの人達の描写が細かくて思わず唸りました。2020/01/20

machi☺︎︎゛

138
小学5年生の葵が下校中いなくなる。失踪か誘拐か事故か事件か。何も分からないまま生死も分からないまま時だけが過ぎていく。その間の警察の必死の捜査や家族の奮闘などが長く続くから、余計に結末が気になる。特に家族の粘り強さが印象深く読み進めるのが辛かった。やっと最後の最後で解決に向かってホッとした。刑事の奈良さんの抱えていた問題もいい方向で解決して最後で救われた。でも自分より弱い者を相手に卑劣な事をする奴は本当に許せない!2019/11/11

Yunemo

133
今まさに起こっている現実。事故か事件なのかも不明のままに時間ばかりが過ぎて。昨日11日に家族が写真公開、何とも言えずに、ただ祈るばかり。本作のようになってほしくありません。いろんな要素が散りばめられています。家族、夫婦、世間の眼、虚偽情報、詐欺、誹謗中傷、そして真相に迫るという凄まじいばかりの刑事の執念、人の持つ正の要素も、人の弱みにつけ込む負の要素も、この展開に焦燥感だけが募ってきて苦しめられます。この刑事のポジションって現実にあるんですか。事件解決よりも刑事自身が壊れてしまいそう、まるでジプシー刑事。2019/10/02

ゆみねこ

122
豪雨の夕方、小5の美少女・石岡葵が一人で下校中に失踪した。誘拐か家出か?葵の行方を探す埼玉県警の奈良刑事。壊れかけていた石岡家の再生と執念の捜査、一気にラストまで読みきって大満足の1冊です。2019/10/26

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