内容説明
幼い日に、警察沙汰で離れ離れになった誠也とレイ。大人になって再会したふたりは、警察への復讐を誓い、その計画を着実に遂行する。一方、事故か他殺か判然としない警察官の連続死に、捜査本部は緊迫する。事件を追う所轄刑事の高城理那は、かつて“名探偵”と呼ばれた西條の存在を気にしていた。スキャンダルで警察を去り、人生が暗転した男。彼だったらどう推理するのか―。
著者等紹介
貫井徳郎[ヌクイトクロウ]
1968年東京都生まれ。早稲田大学商学部卒。93年、第4回鮎川哲也賞の最終候補となった『慟哭』でデビュー。2010年『乱反射』にて第63回日本推理作家協会賞受賞、『後悔と真実の色』にて第23回山本周五郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
484
構成が巧いのと、落としどころが気になって、500ページ近い長編を一気読み。いかんせん、動機が…弱っ!気になったのが紙質の薄さ。ついつい二ページまとめてめくっちゃうんだけど、おかげで持ち重りしないのはありがたかった←寝っ転んで読む派。2021/03/28
starbro
338
貫井徳郎は、新作中心に読んでいる作家です。先日の『後悔と真実の色』に続いて続編の本書です。前作同様、480P強一気読みです。著者の西條を救いたいという目論見が成功したかどうかは微妙ですが、ミステリとしては二匹目の泥鰌ががいました。ところで先日TVでXジェンダーの存在を知りました。今後、性的指向はパーセントで表される時代になるのでしょうか?EX.性別男性、性的ジェンダー65%2017/06/09
しんたろー
267
傑作『後悔と真実の色』の続編なので期待が大きかった分、肩透かしを受けた印象が正直なところ。それでも、女刑事・理那が既存の格好いい女刑事でなく、外見の拙さや女性への偏見と闘いながら正義を貫く姿が応援したくなる好キャラで主役として適役だった。また、九係の野田、三井、村越、金森と敵役だった綿貫さえも元気で新たな一面を見せてくれて嬉しい。西條の再生がアナザーテーマになっていて、兄とのシーンから宿命を考えさせられて読み応えもあった。犯人側が前作よりも弱いのが残念な点。西條と理那がガッツリ組んだ続編もあると信じたい!2017/09/04
nobby
193
続編をあまり気にせず楽しめる一冊。相次ぐ警察官の死、はたして全て復讐目的の殺人なのか?そこに潜むのは仲間を庇っての隠蔽の匂い…冒頭から何人もの視点入れ替わる複雑な展開も、短めな章構成と巧みなリーダビリティで難なく読ませるのは貫井さんならでは。序盤から犯人目線で語られること多くも、結び付きそうで少しずつズレて真実に届かないもどかしさが絶妙。前作で奈落の底まで堕ちた西條の中盤での登場に湧くこと然り。実質脇役扱いながらも、その存在感と次作期待したい復活は嬉しい!2017/07/12
うっちー
184
読み応えのある面白い本でした。一つ腑に落ちないのですが、どうして玲依と英司が同じ番組にでていたのですか❓2017/06/04