出版社内容情報
被災当事者、行政やボランティア、マスコミ、病院等が災害現場で直面する問題を、ロールプレイングゲームのように学べる一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
G-dark
20
「自宅で地震に遭遇。10分後に津波が来るという。近所には一人暮らしのおばあさんがいるが様子を見に行く?」「あなたは、救急隊員です。災害現場に駆けつけると、助かりそうな大人と、心肺停止の子どもの二人がいました。まず、子どもから運ぶ?」といった問いが載っている本。正解は無いでしょうが、自分なりに「Yes」や「No」を言いながら読むのがおすすめです。いざという時にはどちらかしか選べないでしょうから、決断する力を鍛えておくことが大切です。緊急時は、迷っている間に時間が過ぎ、両方選べなくなってしまうでしょうから。2017/02/22
時任ウロ
9
被災地で起きる様々な選択支、それは何が正しいか、自己判断が問われる。そして確実な正解などない。被災地で時間が経つごとに迫られる選択が突きつけられ、考えさせられました。考える時間のない中で選択を迫られるのもきついですね。2014/10/02
かりん
7
4:《質問に答えながら考える災害時のジレンマ。》クロスロードなる手法で記された「災害時、あなたならどうする?」本。たくさんの質問と解説(答えではない)が並んでいます。自分のようなぱぱっと読みタイプは、答えを出さぬまま読み進めてしまうのではと心配していたのだけれども、深いながらも自分の立場を示しやすい設問だった。市町村職員は人口の100分の1、消防職員はその10分の1、消防車の数はその10分の1。復興は速さが大切だとしか考えていなかったが、被災者に即座の決断を迫っている側面があるとは思ってもみなかった…。2016/03/26
yooou
7
被災者として、当事者としてのみならず自治体や学校、報道関係者そしてボランティアなど様々な立場で直面するジレンマ、コンフリクト。いざとなって慌てないためにも幅広く視野で物事を俯瞰する視線を持っておきたいものですね。もうすぐまた3.11がめぐってくる。2015/02/15
ブック
6
2024年の元日に、令和6年能登半島地震が発生した。以前から読もうと思って傍に置いていたが、今がそのときだと思い読み始めた。31の「答えのない問い」が提示され、自分ならどうするかを考える。正解がないとは、これからの時代を象徴する問いだろう。平時と有事の切り替えをいかにできるかが問題だと個人的には思う。今も被災地のボランティアについて、内外から様々な意見が出ているようだ。人々の考え方は多様で、決してまとまることはないだろう。そんな人間社会が、これからどんな未来を迎えるのか。そんなことを考えさせられる一冊だ。2024/01/09