目次
1 日本映画論を始めるにあたって(日本映画の新しい福音のために;映画は監督のものである;日本映画は他者をいかに描いてきたか ほか)
2 日本映画の“戦後”とは何か(『東京物語』の余白に;内田吐夢と悪の救済;今井正の再発見 ほか)
3 二〇一〇年代、日本映画は信頼できるか(日本映画のなかの「戦後七十年」;武正晴『EDEN』;石井隆『フィギュアなあなた』 ほか)
著者等紹介
四方田犬彦[ヨモタイヌヒコ]
1953年大阪生まれ。東京大学で宗教学を、同大学院で比較文学を専攻する。エッセイスト、批評家、詩人。文学と映画を中心に、多岐にわたす文化現象を論じる。元明治学院大学教授。コロンビア大学、ボローニャ大学、テルアヴィヴ大学、清華大学(台湾)などで、客員教授、客員研究員を歴任。サントリー学芸賞、伊藤整文学賞、桑原武夫学芸賞、芸術選奨文部科学大臣賞などを受けた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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hasegawa noboru
1
とりすました学者による衒学ぶった映画論でないのが何より。〈この二十年ほどの間、映画は光(リュミエール)だとか芸術だとか標榜する雑誌ジャーナリズム〉に〈卑猥な共同体意識の残骸しか見てとれなかった〉カッコいい、同意。〈映画は〉〈いかなる場合にも社会に支配的なイデオロギーをやすやすと体現してしまうメディアである〉。世界のオズ評価にも与しないし、寅さん映画が国民的映画になることによって巧妙に隠蔽されてしまった現実についての鋭い指摘もある。ただし小栗康平『FOUJTA』の低評価には異議あり。映像美、評価すべし。2017/09/12
Ahmad Todoroki
0
小津安二郎と土本典明を共に愛すると、安易に口にすることはできない。