目次
ユビュ王
寝とられユビュ
鎖につながれたユビュ
丘の上のユビュ
訳注
劇場演劇無用論
解説
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゅん
11
鴻英長曰く近代演劇のはじまり。19世紀末に若き劇作家が撒き散らした「糞ったれ!」のひとことで、古き良き時代は便器から流された。極悪非道のユビュ親父による王殺しには因果応報も起承転結もなく、つまるところ「人生に役立つ物語」がない。この人生の放棄が新しい演劇の起点を作り出したのだろう。その衝撃を今感知するのは容易ではないと思うが、赤瀬川源平の素晴らしい装丁から幽かに衝撃の名残を感じる。2018/04/20
Mark.jr
4
ダダイズム、シュールレアリスム、不条理文学・演劇などなど、多くの前衛芸術に影響を与えた戯曲がこの「ユビュ王」です。シェイクスピア的ルネサンス演劇のパロディを基調としつつ、その罵詈雑言溢れる台詞(主人公ユビュ王の最初の台詞は「クソッタレ!」)、徹底的に馬鹿馬鹿しいストーリーと人物造形は、今なおこちらにあっかんべーしてるかのようですし、パンクです。2023/10/19
はりぎゅら
4
«Merdre!»幕が開けるや否やユビュ親父によって吐き捨てられるこの暴言は、当時会場を大混乱に陥れたらしい。高尚な演劇を期待して足を運んだ知識人たちに向かっていきなり「糞ッたれ!」だから、怒るのも無理はない。ジャリの卓抜なセンスによって繰り出される卑俗な造語、言葉遊びと、俗悪・グロテスクなのになぜか憎めないユビュ親父の稀有なキャラクター性がなんとも魅力的。ピカソやボナールが描いたユビュ親父の絵が載っているが、巨大などてっ腹を僕も絵に描いてみたくなった。ついでに故赤瀬川原平氏によるお下劣な装丁も"最高"。2015/01/31
刳森伸一
2
傍若無人なユビュがポーランド王を殺して王となり、私利私欲に塗れた残酷非道な行為に走るが、結局は追放され、その後、放浪するというドタバタ劇。要するに恣意的な行為を突き詰めるとこんな感じになるよ、という話であろうか。2015/01/13
キヨム
1
ユビュおやじが王様になったり囚人になったりする戯曲。2018/01/31