感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てれまこし
10
安保闘争直後に出版され新左翼学生の間で広く読まれた。新左翼に近い知識人の論文が収録されている。新左翼は学生が主体となり保守政府と並んで体制内化した既成左翼(労働者の保守化が背景にある)を敵とした。安保においては社共両党や労組の枠組を越えた大衆動員が自発的に起り岸内閣を倒したが、安保が自然発効すると自然消滅していく。国会突入などの過激な行動で運動を引っぱった新左翼にとっては、「敗北」に近いという認識が強かった。孤立した学生や知識人は無力であるという自覚から「大衆」との連携を求めるが、反議会主義的傾向が強い。2022/10/30