内容説明
公共選択論を基礎理論から包括的に解説。政策決定への関心が経済学や政治学を超えて多くの分野に広がっていることを考え、経済学の分析用具になじみのない初学者のために、なるべく数学を使わずに説明する。また、2000年代以降に発展した公共選択論の新しい研究成果も紹介する。
目次
第1部 公共選択論で考えよう(公共選択論とは?;財政赤字・税制改革と公共選択;公共事業はなぜ拡大を続けてきたのか ほか)
第2部 公共選択論の実証分析(直接民主主義:公共選択論の方法論;代議制民主主義:政府活動の分析)
第3部 制度選択と制度改革の公共選択論(立憲的政治経済学;規範理論と実証理論;制度の競争と立憲的改革 ほか)
著者等紹介
川野辺裕幸[カワノベヒロユキ]
東海大学政治経済学部教授。慶應義塾大学経済学研究科博士後期課程単位取得退学、専攻:公共選択論、経済政策論
中村まづる[ナカムラマズル]
青山学院大学経済学部教授。慶應義塾大学経済学研究科博士後期課程単位取得退学、博士(政策研究)、専攻:公共選択論、経済政策論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うえ
6
「代議制民主主義では社会のさまざまな立場を代表して議員が選出され、議会で集合意思決定を行う。有権者は個々の意思決定を政治家に委ねることで取引費用を節約できる一方、私的選好を表明する機会を制約される。有権者の選好を代表して表明する議員の選好が、投票者の選好とすべてにおいて合致するとは限らない。議員が代表として相応しくないと投票者が判断した場合には、次回の選挙で落選する…政府とは個々の政治家の集合体であり、選挙を通じた国民との契約によって成り立っている。その意味で公共選択の政府観は社会契約論を前提としている」2016/09/11